「おたふくかぜ」大流行の兆し! 甘く見てはいけない合併症などのリスク
「おたふくかぜ」が2011年夏以来4年半ぶりに大流行の兆しを見せています。通常は、かかっても軽症で済んだり、数週間で自然に治ったりすることも多いため対策を怠りがちですが、実は合併症や重症化の危険性をはらんでいます。
大人は重症化の可能性、不妊の原因にも
国立感染症研究所は先日、「おたふくかぜ」(流行性耳下腺炎)患者が急増しており、2011年夏以来4年半ぶりに大流行の兆しがあると発表しました。季節性の感染症であるおたふくかぜは通常、かかっても軽症で済んだり、数週間で自然に治ったりすることも多いため対策を怠りがちですが、専門家は合併症や重症化の危険性を指摘しています。
おたふくかぜは、ムンプスウイルスに感染して起こる病気で、感染すると2~3週間の潜伏期を経て耳の下(耳下腺)や頬、あごの下が腫れて痛みが出ます。発熱や頭痛、腹痛を伴うこともありますが、一般に重症化するケースはまれとされます。
こうした理由から、重く見られがちとは言えないおたふくかぜですが、1児の母でもある内科医の友利新さんは「『大したことはない』と思われがちですが、実際は怖い病気と言えます」と警鐘を鳴らし、その理由として「合併症」の脅威を指摘します。
「おたふくかぜは通常、1~2週間で回復しますが、熱や嘔吐(おうと)、頭痛が続く時には無菌性髄膜炎の可能性があります。脳炎、難聴を引き起こすこともある油断できない感染症で、今年のように4~5年の周期で流行するものです」
また、子どもの病気と思われがちなおたふくかぜですが、成人がかかるケースもあり、むしろ子どもより重症化しやすいとも言われます。症状は子どもと同じですが、40度近くの高熱を伴うことがあり、そこからさまざまな影響が出る可能性もあるそう。
まれに卵巣炎や精巣炎を招いて不妊の原因にもなるため、友利さんは「予防にはワクチン接種が有効です」と話します。
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