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今日は父の日! 「わが子に懐かれる父親」になる方法を専門家に聞いてみた

6月19日は「父の日」。「わが子に懐かれず、いつも母親ばかり…」と切ない思いをしている父親が、子どもに好かれるようになるにはどうすればいいのか、子育てのプロが解説します。

「パパは嫌!」と言われるのは切ない…
「パパは嫌!」と言われるのは切ない…

 今年は6月19日が「父の日」です。父の日は毎年6月の第3日曜日ですが、例年、「忘れていた」「気付いたら過ぎていた」「そういえば何もしていない」など、「母の日」と比べると“つい忘れがち”“影が薄い”イメージが少なからずあり、世のお父さんたちにとっては少々切ない日でもあるようです。

 これには、幼少期に「あまり遊んでもらえなかった」「家にほとんどいなかった」など、父親と子どもの関係性の薄さが影響しているケースもあるようで、「自分が父親になったら、できるだけ子どもとたくさん過ごしたい」「子どもに好かれる父親になりたい」と考える人もいますが、一方で、「いつもママばかりで、パパには近づいてもくれない」「『パパは嫌! ママがいい!』と言われて悲しかった」「どうしたら子どもが懐いてくれるんだろう…」と悩む人も少なくないようです。

 わが子に懐かれず、いつも母親ばかり…そんな父親がわが子に好かれ、懐かれるようになるためにはどうしたらよいのでしょうか。子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに聞きました。

「親だから」という理由だけでは懐かない

Q.一般的に、子どもが懐くのは「父親」よりも「母親」であるケースがよくみられるかと思いますが、これはなぜだと思われますか。

佐藤さん「『懐く』というのは、心理学的にいえば『アタッチメントがある』という言葉で言い換えられます。これは、子どもが特定の人に持つ愛着感情のことで、基本的には両親に強くこの思いを抱いています。抱っこをされるときに『ママがいい!』と“誰にしてもらうか”にこだわったり、姿が見えなくなると泣き、戻ってくると喜んだり…これらは全て、懐いている人に見せる行動です。

ただ、『親だから』という理由だけでアタッチメントが形成されるわけではありません。日頃、どのような接し方をしているか、どれくらい一緒に過ごしているかなどが、『どれだけ懐くか』に関係してきます。一般的に、赤ちゃんは父親よりも母親の方に早くアタッチメントを形成しますが、それは、0歳からの数カ月は母親と過ごしている家庭が多いからでもあります。これは日本のみならず、世界的にそうです。しかし、もし父親が0歳からどっぷりと子育てに関わっていれば、おのずとそこにはアタッチメントが形成されます」

Q.子どもが母親だけに懐いていて、父親には懐いていない場合、どういった要因・理由が考えられますか。

佐藤さん「このような場合は、『一緒にいる時間があまりにも少ない』『一緒にいても子どもと関わろうとしない』などが最もよくある理由でしょう。

他に起こり得るのは、母親が父親のことを悪く言ったり、逆に父親が母親に対して攻撃的だったりと、両親の仲がよくない場合です。家庭内が不穏な空気だと、子どもも自らの立ち位置を考えてしまいますし、そうなると子育てをメインで行っている方(多くは母親)に寄ることもあるでしょう。

そもそも、子どもが親に懐くのは、そこを“安全基地”だと思えるからです。嫌な思いや怖い思いをしたときに、そこに戻れば心が温まる。それを知っているからこそ胸に飛び込んでくるので、家庭全体が子どもにとっての“安全基地”になっていることが理想的です。夫婦共働きの時代だからこそ、今まで以上に子どもにとっての父親の役割は大きいので、ぜひ積極的に育児に関わってほしいと思います」

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佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)

公認心理師(児童心理専門)

ポジティブ育児研究所代表。育児相談室「ポジカフェ」主宰。英レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの心理学講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣」(あさ出版)など。All About「子育て」ガイド(https://allabout.co.jp/gm/gp/1109/)を務めている。公式サイト(https://megumi-sato.com/)。

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