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「婦人科検診」の内容と受診前に気をつけるべきポイントを解説

乳がんや子宮頸がんなど女性特有の病気の予防や早期発見に役立つ「婦人科検診」。義務ではありませんが、定期的な受診が大切だと医師は指摘します。ここではその内容などを解説します。

婦人科検診の内容と気をつけるべきポイントは?

婦人科検診とは

 近年、乳がんや子宮頸がんなど女性特有の病気がメディアで多く取り上げられるようになってきましたが、このような病気の予防や早期発見のために「婦人科検診」があります。一般的な健康診断とは違い、婦人科検診は任意の検査で受診は義務付けられていません。しかし、各自治体は検診を積極的に受けてもらおうと無料検診券や受診案内の配布などに取り組んでいます。

 ここでは、婦人科検診とはどのようなものか、検診前に注意すべきことなど特に女性が知っておくべき事柄について、医師の尾西芳子さんに聞きました。

 婦人科検診は、乳がんや子宮頸がん、子宮体がんなどのがんや子宮筋腫、卵巣嚢腫など、女性に発症する病気を早期発見するために行われる、女性を対象とした検診のことです。自治体ごとに無料検診券を配布するなど啓発に取り組んでいますが、厚生労働省の発表によると、婦人科検診を受けた人の割合は30~40%と依然低く、他国と比較しても日本の女性は検診率が非常に低いことがわかっています。

 婦人科検診には定義がないため、病院や施設によって「婦人科検診」という言葉が指す検査項目や内容が異なり、子宮頸がん検診のみの場合も多いので、各病院や施設に問い合わせて、自分が受けたい検査が含まれているかどうか確認することが大切です。

婦人科検診の検査内容 

 婦人科検診では、専門医による問診や視診、内診があります。そのほか、マンモグラフィーや血液検査を行う場合もあります。

【問診】

 年齢や月経の周期などの状況、性習慣、初潮の時期、妊娠・出産の有無、ホルモン治療の有無、不正出血の有無、喫煙や飲酒習慣、これまでの検診歴などについての質問があります。

【視診】

 膣鏡という器具を挿入し、おりものや炎症の状態などを見ることで、外陰や膣の炎症、感染症がないかを確認します。

【内診/細胞診】

 腫れや痛みの有無、腫瘍の有無、子宮の状態について触診や超音波(エコー)でチェックします。内診台では、座位部分が高く上がり開脚した状態で行われるため、初めての人にとっては少し抵抗があるかもしれませんが、顔~上半身が見えないようにカーテンで隠されていることがほとんどです(見えない方が不安な人は開けておくことも可)。

 また、子宮頸部の表面粘膜を専用の棒でこすって採取し、顕微鏡で異常がないかを調べる細胞診では、がんになる前の異常な細胞を発見することができるため、より早期の治療を行うことができます。内診によって、がんだけでなく子宮筋腫や子宮内膜症などのチェックもできるため、婦人科検診では必ずと言ってよいほど行われる内容です。

【触診/マンモグラフィー】

 乳房のしこりや腫れの有無、乳首からの分泌液の有無をチェックします。乳がんの場合、触った時にしこりの感触などでわかりやすいため、自身での早期発見につながります。病院では触診に加えて超音波(エコー)検査、マンモグラフィー検査を併用します。

 マンモグラフィーは専門の器具で乳房全体を挟んでX線で撮影し、石灰化や影を見つけることができます。人によっては、挟む際に痛みを伴うことがありますが、超音波(エコー)とマンモグラフィーでは得意とする年齢や病変が違うので、必要のある場合はきちんと受けるようにしましょう。また、乳がんの専門は日本では産婦人科ではなく外科(乳腺外科)なので、受診の際は乳がん検診を行っているか確認してください。

【MRI検査】

 触診や内診、超音波(エコー)検査などの検診で精密検査が必要となった場合に、より詳しく調べるために行われます。MRIで骨盤内を撮影することで、子宮や卵巣の病気をより正確に診断することができます。乳房に関しても、さまざまな方向から撮影することができるため、乳がんの広がりを調べる目的で使われます。

【血液検査】

 子宮頸がんや卵巣がんなどが疑われた場合に、2次検査として血液検査が行われることがあります。がん(悪性腫瘍)が体内にできると、血液中の腫瘍マーカーと呼ばれる数値が高くなることがあるため、発見につながることがあります。ただし、がんであれば必ず上がるというわけではない上、軽度の異常値であればがんでないこともあるため、結果についてはきちんと医師に確認する必要があります。

婦人科検診にかかる費用

 婦人科系の病気をすべて把握するためには約4万円かかります(病院や施設によって異なる)。しかし、基本的には各検査を別々に受けることができ、検査方法によって5000~1万円と値段が異なります。受診前に、病院や施設に問い合わせて確認をしておくと安心です。

 なお、子宮頸がんは、国が「対策型がん検診」と定めている病気に含まれているため、費用の助成がある自治体がほとんどです。子宮頸がんは自費で受診すると3000~5000円程度かかりますが、自治体からの助成が受けられる場合、無料~1000円程度で受けられることが多いです。

 ただし、自治体による子宮頸がんの助成の対象は20歳からです。自治体によって費用や費用助成の間隔は異なるため、自分が住んでいる自治体がどのように設定しているか問い合わせてみるとよいでしょう。産婦人科学会としては2年に1度の検診をお勧めしているので、自治体のお知らせが来なくても産婦人科を受診しましょう。

病気の予防や早期発見のために受診を

「婦人科検診は義務ではありませんが、女性として健康に生きていくためにも受診することがとても大切です。子宮頸がんは20代から40代と若い世代で多く発生しているので20歳からの受診が推奨されています。また、最近は妊娠希望年齢が上がってきているため、妊娠したいと思った時にできるように自分の体を知っておくことは大切です。病院によっては女性の専門医に担当してもらうこともできるので、自分が受診しやすいかかりつけ医を見つけるとよいかもしれません。最初は緊張するかもしれませんが、病気の予防や早期発見のために定期的に受診しましょう」(尾西さん)

(オトナンサー編集部)

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は高輪台レディースクリニック副医院長。「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性のすべての悩みに答えられるかかりつけ医を目指している。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。