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「ままごと」気分で幼児が電話口に…困惑する相手、「電話のしつけ」どうする?

携帯電話が身近にある現代の子どもたちにとって、電話機は興味をそそられる「おもちゃ」の一つ。しかしだからこそ、「電話のしつけ」は大切だと筆者は指摘します。

電話に興味津々の子ども…どんなしつけが必要?
電話に興味津々の子ども…どんなしつけが必要?

 子どもの声ってかわいいですよね。でも、誰かに電話をかけたとき、電話を取った相手が、まだ「ウニャウニャ」としか言えない幼子だったら、困惑しないでしょうか。「かわいいから、子どもに電話を取らせてもいいだろう」と思っているのは親だけです。子どもと電話の関わりについて、どんなしつけをしたらよいのでしょうか。

子どもは「本物の電話」に興味

 ある日私は、友達に用事があって電話をかけました。すると、電話口に突然、2歳くらいの子が出てきて、「ア~ウ~、ア~ウ~」と言葉にならない言葉で、延々としゃべっています。電話は集音性が比較的高い機器なので、固定電話でも携帯電話でも、周りの音をかなり拾います。それに気が付いていないのか、受話器の向こう側からは「誰~? 誰~?」とお皿をガチャガチャ洗いながら叫ぶママの声がしました。幼い子ども本人に用事があって電話する人はいないですよね。なかなか代わってくれないので、ちょっとイライラしてしまいました。

 私が働いていた保育園では、0歳児、1歳児クラスのままごと用のおもちゃ箱に、廃棄処分となった携帯電話が何台か入れてありました。その電話は実際にはつながりませんが、それを手に取った子どもたちは、まだ小さいのに、電話を耳元に当てて何かしゃべろうとします。指で画面をスクロールする子もいました。

 子どもは「まね」の天才です。普段、大人の行動をよく観察しているのですね。電話はコミュニケーションの道具として最適です。2歳児クラス以上になると、「ママ役」「パパ役」など、ままごとでの役割分担も明確になり、その中に電話も登場してきます。そのため、ままごとセットの中にあえて入れていました。

 ただ、子どもにとっては、つながらない電話機よりも、固定電話であれ、携帯電話であれ、自分が発した声に対して、相手が受話器を通して反応してくれる“本物”の方が、ずっと面白く、最高のおもちゃです。親が「(自分が普段使っている)携帯電話をおもちゃにされるのが嫌だから」と、使えなくなった古い携帯電話を与えても、実際につながる本物の携帯電話をやたらと触りたがることがあるのは、そのためでしょう。

小さい子どもが電話口に…いいの?

 電話がかかってくるときというのは、相手が自分に対して何らかの用件があるときです。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんだったら、孫が電話口に出てきて喜ぶかもしれませんが、それ以外の多くの場合は、「あらかわいい、うれしいわ」とはならないでしょう。「かわいいから、子どもが電話に出てもいいだろう」と考え、電話に関するしつけもしないまま、おもちゃのように取らせるのはやめた方がよいと思います。

 一方、3歳を過ぎて、子どもがきちんとした会話をできるようになってからは、電話を活用して、丁寧語を話すことを教えるのもよいでしょう。電話が鳴ったとき、「どちらさまでしょうか。お母さんに代わります」というフレーズを教えるのです。まだ小さい子でも、教えると案外できるようになるものです。きっと電話の相手も、「お行儀のよい、きちんとしつけている家庭だわ」と思ってくれます。

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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