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29歳男性、残業禁止で手取り5万円減…コロナ禍で「貯金」は増えた? 減った?

コロナ禍により、外でお金を使う機会が減り、「貯金」が増えた人が多いように思われがちです。実際のところ、貯金は増えたのでしょうか、減ったのでしょうか。

コロナ禍で貯金は増えた? それとも…?
コロナ禍で貯金は増えた? それとも…?

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自宅で過ごす時間が増えた人が多いと思います。自宅で過ごす時間が増えれば、外出先でお金を使う機会が減るので、その分を「貯金」に回せそう…とも思えますが、実際は、新型コロナの影響を受けた業績不振による収入減、外出自粛によるデリバリーの食事の多用、光熱費の増加などが理由で、かえって支出が増えた人もいるようです。ずばり、「あなたの家では、コロナ禍で貯金は増えましたか、減りましたか」、いくつかのケースを紹介したいと思います。

ネットショッピングという“わな”

 リモートワークが導入されて、出勤日が減ったAさん(29歳、男性、独身)。基本給は変わりませんでしたが、1カ月の収入は減りました。

「月40時間程度の残業をしていましたが、コロナ禍以降、残業は禁止となりました。リモートワーク中の残業も申請が通りづらくなり、手取りが月5万円ほど減りました」(Aさん)

 Aさんのように手取りの一部が減少した人がいる一方、勤め先が休業になった人や、日払いの仕事自体がなくなってしまったイベント関係者など、コロナ禍で収入そのものがなくなってしまった人は少なくありません。では、手取りが月5万円ほど減ったAさんの貯金はどうなったのでしょうか。

「コロナ禍以前は毎月1万円を貯金できていましたが、今はしていません。毎月の収支はプラスマイナスゼロからマイナス1万円くらいの間を行ったり来たりという感じです。外出する機会は減りましたが、そうはいってもやはり、たまに外出はしますから、そこでどれだけお金を使うかで毎月の収支が決まる感じです。自宅でのお金の使い方はあまり変わっていないので」

 一方、外で使うお金が減ったにもかかわらず、貯金も減ったというのはBさん(33歳、女性、独身)。1人暮らしで、収入の多くを交遊費に充てているBさんは自粛要請を「ある意味チャンス」(本人談)と捉えました。

「昔から、お金をためるのが苦手で、いつかは貯金を始めなきゃと思っていました。自粛で外出が減るなら、お金を使わなくなるので、『これはチャンスだ』と」(Bさん)

 Bさんの外出の頻度は激減して、外でお金を使わなくなりましたが、なぜか、貯金は増えるどころか減っていきました。

「外で食べなくなった代わりにデリバリーで食事を取ることが多くなりました。“おいしいもの食べたい欲”もあまり満たせなくなったので、地方の名産品をネットで見かけると、つい、ポチッちゃいます。外に買い物に出掛けなくなったので“買い物したい欲”もたまっていて、これもネット通販で発散していました。

こうした生活を始めた最初の月のクレジットカードの請求がいつもの3倍くらいになっていて、『まずい!』と思って、さすがに節制するようになりました。しかし、それでもある程度は使ってしまうので、『貯金なんて夢のまた夢なんだな』と思い知りました。自宅での自粛生活がスタートして、私は『外出が好き』だけなのではなく、『お金を使うのも好き』なんだなと初めて気が付きました」

 ネットショッピングはちょっとした手間でできるのでお手軽ですが、ついつい、いろいろ買ってしまい、「思ったよりも出費していた」となりがちです。ネットに触れる時間が増える自粛生活では気を付けたいわなの一つです。

“ガス抜き”を家計に含めるテクニック

 お金の使い道に計画性を持っている人たちのケースを見てみましょう。Cさん(36歳、女性、既婚)は元々、家計をきちんと管理していました。

「無駄な出費に気付かずにいるといったことがあると、すごく損をして生活しているような気分になるので、それを避けるために家計はしっかり管理しています。独身のときから今まで、これは変わっていません。

コロナ禍以前は頻繁に外食していて、そのために使っているお金が多かったので、回数が減って浮いた分で月に2回くらい、ちょっと奮発して、おいしいものを夫と食べに行きます。『毎月の貯金額を増やす』という選択肢もありましたが、夫と話し合って、『我慢ばかりじゃストレスがたまるから、使うときにしっかり使おう』となりました」(Cさん)

“家計の管理”と聞くとストイック一辺倒に思えますが、Cさんのように、ガス抜きによる出費を家計の中に含める程度のストイックさの方が長続きしやすいかもしれません。

 次のケースは“お金の使い道に計画性がある”かどうか微妙なラインなので、ちょっと、皆さんで判断してみてください。Dさん(40歳、男性、既婚)の場合です。

「特別定額給付金が家族合わせて30万円入ってきて、『これは超絶したお小遣いだ』と喜んでいました。そこで、そのお金で主に家電を買い替えたのですが、自分たちがいつも買うものよりワンランク上のものを選びました。

冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、PCデスクとそろえて、その他にこまごました買い物をしたら、給付金はなくなったのですが、他の家電や家具もグレードのいいものに新調した方がよいと思い、僕と妻それぞれのヘソクリ貯金口座から割り勘で、洗濯機やエアコンなどの大型家電やラグ、ソファなどの家具をいくつか買いました。

貯金は一気に減ったのですが、いつかは買わなければいけないものですし、一度買っておけば、この先10年単位で買う必要がなくなります。家で過ごす時間が増えているのもあったので、このタイミングで住環境を充実させるという狙いがあっての買い物でした」(Dさん)

「将来を視野に入れての買い物」という点に計画性はありますが、買い物に挑んだ姿勢がやや衝動的・刹那的と見えなくもありません。何とも判断がつきかねるDさんの“計画性”です。

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

geetara610@gmail.com

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