「日焼け止め」で肌が荒れてしまうのはなぜ? 肌荒れ時の対処法は?
夏に必須の「日焼け止め」ですが、塗ることでかえって、肌が荒れてしまう人もいるようです。なぜでしょうか。

夏は紫外線が強いため、外出時に「日焼け止め」を塗る人も多いのではないでしょうか。紫外線を浴び続けると、シミやシワ、皮膚がんなどの原因になるといわれていますが、日焼け止めを塗ることでかえって、肌が荒れる人もいるようです。
なぜ、日焼け止めで肌が荒れるのでしょうか。また、日焼け止めが合わない人はどのように対処すればいいのでしょうか。アンデュースキンケアクリニック&スパ副院長の浅野さおりさんに聞きました。
いわゆる「かぶれ」の状態に
Q.そもそも、日焼け止めを塗ったときと塗らないときで、皮膚にどのような差が出るのでしょうか。
浅野さん「肌にダメージを与える紫外線には、UVA(皮膚の深いところまで届き、シミ、シワ、たるみを引き起こす、肌を黒くする)とUVB(短時間で肌が赤くなり、その後、肌が黒くなる)の2種類がありますが、日焼け止めはその両方をブロックします。
日焼け止めを塗った皮膚と塗らない皮膚との違いは、塗った皮膚の方が赤くなりにくい、黒くなりにくい傾向にあり、長期的に見ると、日焼け止めを塗らない人は日焼け止めを小まめに塗る人に比べ、シミ、シワ、たるみ、皮膚がんのリスクが上がります」
Q.日焼け止めを塗ると、肌がカサカサしたり、かゆくなったりする人もいますが、なぜなのでしょうか。その場合、どのように対処すればいいのですか。
浅野さん「これらの症状はいわゆる『かぶれ』を起こしている状態です。人によって差はありますが、日焼け止めに含まれている成分が肌に刺激を与え、肌が荒れることがあります。特に、カサカサした所、かいて傷ができてしまった所は皮膚のバリアー機能が低下しているため、さらに敏感な状態となっています。そのため、皮膚に合わない日焼け止めを塗り続けると、さらにかぶれが悪化するので使用を中止してください。
また、皮膚が過敏になっているときは、普段使っている化粧品などでもかぶれる可能性もあります。肌荒れが落ち着くまでは何も付けずにいるか、低刺激の製品による保湿のみにしておき、それでも症状が改善しない場合は病院を受診してください」
Q.日焼け止めを使わずに、日焼けをできるだけ防ぐ方法はあるのでしょうか。
浅野さん「服や日傘で皮膚を覆うほか、飲むタイプの日焼け止めを使うのも有効です。病院で販売されている製品や市販の製品があります。ライフスタイルに合わせて選ぶ必要があるため、病院や薬局で相談されるとよいと思います」
Q.今年7月のように、曇りや雨の日が多いときもあります。天気が悪い日に外出する際も、日焼け止めを塗った方がいいのでしょうか。
浅野さん「晴れの日ほどではありませんが、曇りや雨の日にも紫外線を浴びてしまうため、天候に関係なく日焼け止めを塗ることをおすすめします。また、室内でも、日光が当たる場所に頻繁にいる場合は塗るのが望ましいです」
Q.男性を中心に、外見のために日焼けサロンや海に行き、積極的に日焼けをする人もいます。肌の健康上、問題はないのでしょうか。
浅野さん「日焼け直後の肌のトラブルとしては、赤くなり、ヒリヒリするほか、水泡ができるなどやけどのような状態になることもあります。そのような生活を続けることにより、長期的には、皮膚がんになるリスクが上がるため注意が必要です」
Q.夏でも、常に肌が白い人がいます。人によって日焼けしやすい、日焼けしにくいということはあるのでしょうか。
浅野さん「あります。日焼けによって皮膚が赤くなりやすく、黒くなりにくい人、赤くなりにくく、黒くなりやすい人、その中間の人など皮膚のタイプによって異なります。普段は色白で日焼けによって皮膚が赤くなりやすい人は他のタイプの人に比べ、紫外線に弱い傾向にあります。自分に合った日焼け止めを使ったり、服や日傘で皮膚を覆ったりして、しっかり対策をしてください」
(オトナンサー編集部)
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