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画像流出も…中学校「スマホ持ち込み」がはらむリスクとは? 金銭面不安な親も

子どもたちが「自覚」持てるか

 今回の「持ち込み容認」で課された“条件”についても考える必要があるでしょう。3つのルールとして、(1)学校内での管理方法やトラブル発生時の責任の所在の明確化(2)保護者の責任で「フィルタリング機能」設定(3)危険性や正しい使い方を適切に指導する――とありますが、特に(2)(3)について不安視する保護者の声が聞かれます。

 中学生の娘を持つ母親は「フィルタリングを設定しても、娘はネットで解除方法を調べてしまう」と話していました。実際、解除の仕方は子どもでも簡単に検索できますし、そもそも、フィルタリングを設定しない、設定しても途中でやめてしまう家庭も少なくありません。

 情報セキュリティー企業のデジタルアーツ(東京都千代田区)が実施した「未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(2020年4月)では、未成年者のフィルタリング実施率はわずか35%。昨年から5%減っており、到底「万全」とはいえないのです。

(3)の「危険性や正しい使い方を適切に指導する」については「誰がどう指導するのか?」という問題があります。

 子どものネットやスマホ利用に関して「よく分からない」「子どもに任せている」という保護者。あるいは「指導はしているが、子どもが言うことを聞かない」「ルールを決めてもなかなか守らない」と嘆く声も少なくありません。自分のスキルやネットリテラシーに自信のない保護者や、日々の業務だけでも多忙を極める先生に「適切な指導」を求めても、現実的にどれほどできるのかと疑問です。

 また、通信料や機器の購入など、金銭的な問題を不安視する声も聞かれます。「自宅ならWi-Fiを使えるけれど、学校に持っていくとなるとデータ通信が増えるから、契約プランを変えなくてはならない」などという保護者もいます。

 世間では見落とされがちですが、子どもの中には「自分専用のスマホ」を持っていないケースもあります。親が使い終わった中古のスマホを使っていたり、きょうだいで1台のスマホを共有していたりする子どもたちは、新たな機器の購入を親に求めるかもしれません。親の方も「うちの子だけスマホを持たせないわけにはいかない」「スマホがないことでいじめられるのではないか」と無理して購入することも考えられます。

 中には、家庭の方針として「子どもにスマホを使わせたくない」と考える保護者も一定数います。そうした家庭では、パソコンや通信型ゲーム機でネットを使わせているのですが、今回の容認で「やはりスマホを買わないと時代遅れだろうか」と悩んでいました。

 当の子どもたちにも、今回の容認について話を聞いてみたところ、「登下校時に歩きスマホをしちゃいそう」「学校で壊れたりなくなったりしたら、どうすればいいのか」「友達が校内で使っていても注意しにくい」など慎重な声が多く聞かれました。中には「自分はゲーム依存だから、学校でも隠れてやってしまうと思う」と話した男子生徒もいたほどです。

 文部科学省や有識者会議が言うように、スマホが子どもの「インフラ」になっている面は確かにあるでしょう。一方で、電気や水道、交通などのインフラと同様、それを利用するためには、十分な安全性の確保や利用者としての自覚が求められます。学校や家庭の「指導」だけでなく、利用の当事者である子ども自身が果たして、どれほどの自覚を持てるのか、やはり相当な検討が必要ではないかと思います。

(文/構成・オトナンサー編集部)

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石川結貴(いしかわ・ゆうき)

ジャーナリスト

家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに豊富な取材実績を持つ。ネット、スマホの利便性の背後にある問題に追った著書「スマホ廃人」(文春新書)は、国公立大学入試問題に採用されている。2020年から共同通信社の配信により、全国の地方新聞で「スマホ世代の子どもたち~大人の知らない最新事情」を連載。テレビ出演や全国各地での講演会など幅広く活動する。その他の著書は「子どもとスマホ」(花伝社)「ルポ 居所不明児童」(筑摩書房)など多数。

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