課題多すぎ!? 個人型DCやってみた人たちの「イデコあるある」
「体制整備」や「投資教育」が課題?
3.運用先に悩んで結局、定期預金…
口座を開設し、運用のための商品を選ぶのですが、この時に「何がよいのか」という相談を受けます。しかし、これは非常に困る質問で、イデコの場合、多くの商品に元本保証がなく、商品によっては資産が減ってしまう可能性もあります。
そのため、無責任に「これがよい」とは言いにくいのですが、個人的なスタンスとして、以下の3つのことをアドバイスしています。
・投資信託は手数料の高い「アクティブ型」よりも、手数料の安い「インデクッス型」がオススメ
・国内投資か、海外投資かは自分で選ぶしかない
・よく分からなければ、まずは定期預金にする
しかし、実際のところは定期預金にしている方がほとんどです。口座を開設すると、ひとまずは掛け金が定期預金に貯まるため、何となくそのままという方も多いのでしょう。定期預金に投資効果はほぼありませんが、「掛け金の所得控除」による節税効果はあります。また、世界的に株高である現在、投信に投資しても「高値掴み」になる懸念もあり、「今のうちは定期預金」というのも、あながち間違いではないのです。
国の思惑としては、イデコを通じて、個人が株や債券に投資してくれることを期待しているのだと思いますが、現状、積極的な投資を行っている方は少ない印象で、投資へのより一層の啓蒙が必要です。
国の年金制度がアテにならない以上、自分自身の資産を賢く築くしかありません。“アンテナ”の高い人は既に始めているイデコですが、裾野を広げるために、手続きの簡素化や迅速化、企業側の体制整備、個人への投資教育、などの課題をクリアしていく必要があると感じています。
(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)
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