シンプル不倫を飛び越えて「四角不倫」に陥る夫婦も 侮らず、2人で向き合うべし
自制心、道徳心があれば不倫はしない
リエさんは皆より一回り年が離れていて、若い奥さんです。洋服の仕事をしているので、ファッションについてもいろいろ教えてくれます。快活で面白いリエさんに、千恵里さんはライバル意識というより女性として興味が湧き、LINE電話で女子トークをしたり、お菓子を持っていったりする仲になりました。
数カ月、イサムさんとの関係を保ちながら、リエさんとも交流をしていましたがある日、リエさんから、「おたくの旦那さんに誕生日会に誘われた。サプライズ企画だから内緒に、ですって」と言われ、驚きます。そんな企画はないし、初耳です。これまで、道雄さんの誕生日は小さいケーキを買ってきて、家族で食べるだけでした。大げさな会などしたことはありません。
道雄さんに、あえて何も聞かずに様子を見ましたが、誕生日が近づいても何も切り出しません。リエさんにこっそり聞くと、「ダイニングバーの個室で集まろうと言われた」と。
「夫はリエさんに気がある」と察しました。2人で会うに違いない、と。しかし、リエさんの話はその上を行きます。「実は私、職場で内緒の彼氏がいるんです」。千恵里さんは戸惑いましたが、イサムさんとの関係は続けたいので「秘密にしとくね」と伝えました。
この後、道雄さんがリエさんと2人で会ったのか、リエさんの不倫はイサムさんにバレたのかは聞いていません。
さて、「不倫に走りやすいのはどんな女性ですか?」と雑誌の取材でよく尋ねられます。今までのヒアリングから分類してみます。
【不倫体質の女性】(恋人・夫婦仲相談所調べ)
・「結婚と恋愛は別物」という鉄板思考がある
・条件を満たす夫を選んだ(ちまたで言われる「ハイスペック婚」、バブル期でいうなら「3高夫主義」)
・元彼を断ち切るために無難な相手と結婚した
・女性としての承認欲求を異性に求めてしまう
・孤独に耐え得る“骨太マインド”の欠落(「心の隙間に彼が入り込んだ」という表現をされます)
・20代でモテた体験が心地よかったので、再燃したい願望が強い
・夫の不倫発覚を乗り越えた経験がある
・女性の友達や、有名人の所有物・ステータスをうらやむ傾向がある
など
そして、恋人・夫婦仲相談所はセックスレス問題に重きを置くため、次のような理由が目立ちます。
・夫との長きにわたるセックスレスで、愛されている自信を失う
・性欲が強く、夫との営みでは頻度が足りない
・夫とセックスレスではないが、本来、自分が求める性の営みではないので、性的満足を得られない
・夫が長期出張や単身赴任のため、自由時間が多く、監視者がいない
・家計補助のために始めたセクシー系チャットの相手を好きになった
・夫が勃起障害(ED)を治療してくれないから、そうでない男性を好きになった
など
千恵里さんのように「結婚した後で一番好きな人が現れた」という事象を「運命だ」と感じ取る女性と、「いい思い出」と胸に納める女性とにバッサリ分かれるのが現実です。
そこで“違法行為”という認識や罪悪感など、自制心がどの程度働くか。これは持って生まれた気質だけでなく、置かれている環境や夫との関係性によって変動するのではないかと、私は考えています。
自制心や道徳心が高い値のときは、常識を持ってやり過ごしますが、夫に無視され続けていたり、毎日マウンティングされていたり、チクチク嫌みを言われていたり、10年間のセックスレスであったりと、普通ではない夫婦関係のときは、自制心が低い値に落ちてしまいます。
ダブル不倫の場合は「お互い家庭があるので、結婚を迫られることはない」という不都合な安心感が後押しをすることもあります。
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