シンプル不倫を飛び越えて「四角不倫」に陥る夫婦も 侮らず、2人で向き合うべし
ダブル不倫、リベンジ不倫、開き直り不倫、お金のため不倫、そして、四角不倫。不倫の形はさまざまですが、いずれも根底にあるのは、自制心の低さだと筆者は指摘します。
「恋人・夫婦仲相談所」の開設以来、不倫の相談は後を絶ちません。
「夫以外の男性を好きになって毎週会っているけど、この先どうしよう」「妻とはセックスレスなので彼女をつくったが、離婚はしたくない」など“一般的”と言っていいのかは戸惑いますが、「そうですか。よくない現状ですね」と冷静にアドバイスを進めていけるパターンが、もちろん多数派です。
その一方で、話を聞いていて、「え? もう一度言ってください。そんなことあるんですか」と、メモを取る手が止まるようなイレギュラーなパターンもあります。
中学時代の憧れの相手と再会し…
「ダブル不倫」は世間でよく聞くワードになってきていますが、今や、もっと複雑化した「四角不倫」ともいえる男女関係も少なからず存在します。個人的な連絡が簡単に取れる「つながりツール」の拡大は、マナー違反の関係も後押ししているのです。
【千恵里さん(仮名、40代前半)のケース】
女優の波瑠さんが不倫をする主婦役を演じたドラマ「あなたのことはそれほど」と重なるようなお話で、「事実は小説より奇なり」と実感しました。相談所に来られたのではなく、私の知人経由で紹介してもらい、お話を聞かせてもらいました。
千恵里さんはお子さんが2人いて、夫の道雄さん(仮名)と円満に暮らしている関東圏在住の主婦です。
私はまず、千恵里さんの結婚観を問いました。千恵里さんの答えは「一番好きな人と結婚するより、2番目に好きな人と結婚する方がうまくいくと、母と姉から言われていました。今の夫は2番目です」。
夫の道雄さんについては、「付き合い始めてから好きになろうと努力した」といいます。安定した会社で働いていて、礼儀正しい。千恵里さんのお母さんもお姉さんも満足する条件。つまり、家族が大賛成で、「私も嫌いではなかった」から、結婚相手として決めたそうです。
千恵里さんの恋愛経験は、中学生の頃の憧れの相手と、社会人になってから2年付き合った男性の2人。3人目が現在の夫です。雰囲気も、恋愛意欲が旺盛な女性には見えません。
地元の友達が企画した8人くらいの同窓飲み会で、中学生の頃、つまり30年前に憧れていたイサムさん(仮名)と再会してから、気持ちに変化が出てきました。イサムさんは遅い結婚だったそうで現在、結婚4年目。子どもは保育園で、妻は衣料関係の会社で働いています。
イサムさんには当時の面影があり、はにかむ感じが千恵里さんの思春期の記憶を呼び起こします。当時より筋骨隆々で、たくましく見えました。
居酒屋で盛り上がり、参加者のグループLINEができて「定期的に飲もう」という流れに。「イサムさんの連絡先が自分のスマホの中にある」という事実が、千恵里さんの自制心を崩していきました。
数日後、千恵里さんは「中学のとき、好きでした」というメッセージをイサムさん本人に送ったのです。イサムさんは素早く、「2人で飲もう」と返事をくれました。
そこから、なし崩し的に関係が深まっていきます。
千恵里さんの子どもは大きいので、家に2人で置いておいても大丈夫でした。クリーニング屋のアルバイトの日数を減らしてもらい、イサムさんとビジネスホテルや車中で逢瀬(おうせ)を重ねます。
ある日、イサムさんから、「バレないように家族を紹介し合おう。その方が疑われにくくなる」と提案があり、2家族でバーベキューをすることになります。そこで、千恵里さんの夫・道雄さんと、イサムさんの妻・リエさん(仮名)が顔を合わせることになったのです。
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