「コロナ離婚」も? 非日常の今こそ夫婦の“愛”が試されるときだ
潔癖症で自己中な夫と“コロナ離婚”?
【「このままだと“コロナ離婚”になりそう」 沙耶さん(仮名、32歳)】
潔癖症で神経質な夫と、大ざっぱで楽天的な沙耶さんは対照的な性格です。
「以前から、私が掃除機をかけた後、彼が『まだホコリが残っているよ』と言いながら、フローリング用ワイパーを持ってついてくるようなことがよくありました。でも、最近のコロナウイルス騒ぎ以降、彼の潔癖症はますますエスカレートしてきたんです」
沙耶さんによれば、夫の帰宅後のルーティンは、まず5分ほどかけて念入りに洗顔と手洗い、うがいをし、さらに消毒用アルコールで手指の仕上げをします。その次は使い捨て手袋をして、家の中を除菌ティッシュペーパーで拭くのです。
ドアノブや引き出しの取っ手、階段の手すり、ダイニングテーブルと椅子、革張りソファの表面、テレビのリモコンやスマホ、トイレのふたや便座、風呂の洗面器やシャンプーのボトルなど、ありとあらゆる「俺が触りそうなところ」を除菌するのだそうです。
アルコールも除菌ティッシュペーパーも、お店で品切れしているので大事に使ってほしいと、沙耶さんはそのたびに怒っています。結局、薬局で消耗品を買うために並ぶのは、沙耶さんだからです。そのときも「○○(子ども)を見ているから、自転車で行ってきてよ」としれっと言います。
「不愉快なのは、家の中がまるで汚染されているかのような態度をとることと、除菌が“自分のためだけ”であることなんです。ジコチュー極まりない。2歳の子どものおもちゃは、『お前が洗面所で洗ってやれ』と言って拭こうとしない。家族の感染には無関心で、自分の心配だけをしていることが目につくようになりました」と沙耶さん。
さらに、「子どもはあちこち触って菌だらけだから不潔」と言い放ち、子どもが自分の方に近づいてくると「ママのところに行きなさい」と嫌がる態度をとるのだそうです。
「新型コロナ問題で彼の本性がよく分かりました。子どもや私まで遠ざけようとする汚い本性。もともと子どもが苦手っていうのは分かっていたけど、私の希望でつくりました。でも、ここまでひどいとは」
沙耶さんはニュースで流れる惨状に、「大変だね、かわいそうだね」と寄り添う言葉を発しますが、夫は「自己責任」と切り捨てます。
「こんなに情が薄い人と知っていたら結婚しなかった。私の見る目がありませんでした。何で結婚したんだろう。いい会社に勤めていて、ルックスがよかったから…プロポーズの言葉がかっこよかったから…ジコチューの傲慢(ごうまん)な態度、あの頃は隠していたんです。私がばかでした。
結婚してまだ2年。やり直すなら今。早く気付いてよかったです。私も正社員で働いているので、1人で子どもを育ててやる。コロナが終息したら、私たち夫婦も収束すると思います。離婚協議の際に『精神的な苦痛を受けた』とアピールできるように、今は隠れて細かく彼の言動を録音しています」
「妻力」と「夫力」が問われるとき
いざというときに見えてくるのが、相手の本性と真実の関係性です。
弱さもわがままも含めて愛し合うのが夫婦です。それが「こんな人だと今気付いた」となり、嫌悪に変化するのであれば、時間をかけて見直してもいいでしょう。
沙耶さんの場合は、「私がばかだった」と反省もしています。今後もパートナーが傲慢な態度に気付かず、“俺さまファースト”を貫くのなら、離婚を視野に動いても仕方ありません。海外では、外出禁止期間中にDVの通報が増えたという報道もあります。
ただ、もし相手に柔軟な姿勢が見え始めたら、もう一度考えてください。非常事態なので、パートナーも気持ちがささくれ立っているのかもしれません。今は時間がたっぷりあるので、夫婦関係を見つめ直すにはいい時期です。
各家庭で、小さな夫婦げんかが勃発していると思われます。コロナウイルスで夫婦関係が変化したのではなく、コロナウイルスにまつわる恐怖と不安によって、意識下にあった“自己中心性”が表に出てきたともいえます。夫婦だから甘えてもいい、というシンプルな気持ちです。
非日常によって亀裂ができる夫婦。逆により親密になる夫婦。どちらに転ぶか、まさに「妻力」と「夫力」が問われるときです。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

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