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40歳年収900万円エリート男性が“フラれた”理由

真剣交際に入ったら、何でも自分本位で決めていく

 西田聡子さん(32歳、仮名)は、上村昌さん(35歳、仮名)とお見合いをし、好印象を抱きました。

「カフェの入り口でいらっしゃるのを待っていたら、『西田さんですか? 初めまして、上村です』と爽やかな笑顔でごあいさつをしてくださいました。カフェへのエスコートもスマートだったし、お話も楽しかった。これまでお見合いしてきた中では、一番すてきな方でした」

 昌さんも聡子さんを気に入ったようで、2人はお見合いから1カ月後に、結婚を前提とした真剣交際に入ったのです。

 真剣交際に入ると、結婚に向けてのより具体的な話をするようになります。仮交際期間中はとてもうまくいっていた2人でしたが、なんとなくギクシャクしだしました。

 聡子さんは私に、とても不満げな口調で言いました。

「昌さんは、物腰柔らかな口調でお話をする人なのですが、その口調とは裏腹に、自分の意見は絶対に変えないんです。今は都内で1人暮らしをしているのに、『結婚をしたら実家の近くに住みたい』と言うんですね。昌さんの実家は、新宿に出るのに急行電車で1時間ちょっとかかります。自動車を足代わりにしないと生活できないような場所。私は都内で生まれ育ったし、そんな不便な所で生活するのは嫌なんですよ」

 不便だからこそ都内よりも家賃が安く、「実家の近くなら一軒家を買うこともできるし、子どもが生まれたときには、親に子育てのサポートを頼める」というのが理由だそうです。

「一国一城のあるじっていうんですか? 土地付きの一戸建てにこだわっているのですよ。私は不便な場所で暮らすなら、狭くても都内の賃貸マンションでいいと思っています。それに子どもが生まれても、義理の父母には嫁として遠慮があるから甘えられません。私の友達を見ても、子どもが生まれたときに頼るのは実家の親です。子育ての仕方で何か口出しをされても、実の親には言い返せますから」

 また、昌さんの実家の近くに引っ越すとなると、聡子さんは今の職場への通勤時間が1時間30分はかかるようになります。

「それについても、『子どもが小さいうちはフルタイムで働くのは難しいだろうし、経済的には自分が支えていくから』って。確かに昌さんは年収もいいし、私が働かなくても家計は成り立つかもしれない。でも、私は仕事が好きだし、お金のためだけではなくキャリアを積みたい。田舎に引っ込んで主婦になるのは性に合いません。都内で働いて、社会とつながっていたいんです」

 さらに、昌さんはこんなことも言ったそうです。

「親も今は元気だけれど、20年、30年後にはどうか分からない。そのときに、近くにいてあげたいから」

 聡子さんは、言いました。

「結局、自分の都合と自分の親のことだけを考えているんだなって。うちは、兄夫婦が実家の近くにマンションを買って住んでいるから、私が親の近くにいなくてもよいと思っているようですが、私だって年老いていく親のことは心配ですよ」

 結婚したら、どこに住むか。真剣交際に入ったカップルの多くが、住む場所でもめます。ことに都会で生まれ育った女性は、地方に行くのを嫌がります。

 住む場所に関しては、独り善がりにならずに、2人でよく話し合って決めることが大切ですね。

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)、YouTube「仲人はミタ チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA)。

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