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大人気のダメージジーンズ、トラブルあっても業者は「ノーダメージ」

近年、注目を集めている「ダメージジーンズ」ですが、「まともに歩けない」など、歩行に危険を及ぼす可能性もあります。仮に転倒などをした場合、製造業者や販売業者の法的責任を問えるのでしょうか。

穴の開いていないジーンズの良さもある

 近年、人気が高まっているダメージジーンズ。特に今年の春夏は、大きな穴がいくつも開き、ハードに加工されたダメージジーンズに注目が集まっているといいます。4月12日のフジテレビ系朝の情報番組「めざましテレビ」では、「超穴あきジーンズ」として紹介され、ダメージジーンズを履く街中の若者が取り上げられました。

 こうしたブームの一方、SNS上では「どっかで転んで擦りむいたのか」「おしゃれとして理解できない」「防御力低そう」「(ゾンビ映画の)ウオーキングデッドですやん」といった声も寄せられ、リアルとネットで賛否両論が渦巻いています。

 オトナンサー編集部では今回、ダメージジーンズを履いたまま転倒しけがをした場合の、販売業者や加工業者の法的責任について、弁護士の西原正騎さんに聞きました。

「隠れた瑕疵」があるか、ないか

 西原さんはまず、以下のように指摘します。

「ダメージジーンズの購入者は、色落ちの具合や破れ方といった、その製品の持つ個性に注目し、購入していると考えられます。そのような場合、製品に『隠れた瑕疵(かし)』があるケースに限って販売業者は瑕疵担保責任を負う可能性があります」

 法律用語の「瑕疵」とは、「一般的に備わっていて当然」と考えられる品質や性能が、欠けていることを意味しています。今回の場合であれば、ダメージジーンズを履いたことで満足に歩けなかったり、下着が見えてしまったりするなど衣服として有すべき性質を欠いている場合を指します。

「販売業者に瑕疵担保責任が認められた場合、ジーンズの購入者は契約の解除と損害賠償請求を行うことができます。しかし、『隠れた瑕疵』とは注意しても発見できないレベルである必要があり、その点、ダメージジーンズは誰が見ても一目で瑕疵を発見できるため、『隠れた瑕疵』と言うことはできません」

 現実的には、販売業者への瑕疵担保責任が認められる可能性は、ほとんどないと考えていいそうです。

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西原正騎(にしはら・まさき)

弁護士

1975年東京都生まれ。中央大学法学部、立教大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録(東京弁護士会登録)。インテグラル法律事務所パートナー弁護士。NPO法人遺言相続リーガルネットワーク所属。東京弁護士会法教育委員会委員、同委員会若手会員総合支援センター委員、日弁連高齢者・障害者権利支援センター幹事、日弁連若手弁護士サポートセンター幹事。日経ビジネスコラム、その他書籍多数執筆。相続や離婚など誰もが巻き込まれる可能性のある一般民事事件から中小企業の法務、経営の相談まで幅広く取り扱っている。趣味はラグビー、ダイビング。