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大人気のダメージジーンズ、トラブルあっても業者は「ノーダメージ」

「そんなジーンズ履いて、大丈夫?」はNG

 次に、少々目線を変えて、街中でダメージジーンズを履いている人に対して、通行人がこのように発言した場合を想定します。

「お兄さん、そんなボロボロのジーンズ履いていて大丈夫? 生活困ってるの? ご飯ごちそうしてあげようか?」

 その発言を聞いてクスクス笑い始めた周囲の人たち。言われた人は当然、「こっちはファッションで履いているのにもかかわらず、その言い草は何だ」と腹が立つことでしょう。こんな時、通行人に法的責任は発生するのでしょうか。

「侮辱罪が成立する可能性があります。加えて、履いている人の社会的評価を下げるような内容を、不特定多数もしくは多数の人が見ている時にさらした場合、名誉棄損罪が成立する可能性もあります」

 西原さんも大学生時代に似たような経験があるそう。それは、お気に入りのダメージジーンズを履いて同級生と電車に乗った時のこと。同級生が大声でいきなり「西原君、パンツ見えてるよ」と言い出しました。

「もっとも、パンツが見えたということが、『公共の利害に関することで』『真実であれば』罪になることはありません。しかし、私のパンツが見えているか否かは、公共の利害に一切関係がないため、名誉棄損罪が成立する可能性はあったでしょう。まあ、常識的に考えて、訴える人なんてまずいないと思いますが(笑)」

 40歳を過ぎた現在、穴が大きく開いているダメージジーンズはもう履いていないという西原さん。結局、ダメージジーンズを履いてダメージを受けるのは、履く人のハートだけといったところでしょうか。

(オトナンサー編集部)

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西原正騎(にしはら・まさき)

弁護士

1975年東京都生まれ。中央大学法学部、立教大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録(東京弁護士会登録)。インテグラル法律事務所パートナー弁護士。NPO法人遺言相続リーガルネットワーク所属。東京弁護士会法教育委員会委員、同委員会若手会員総合支援センター委員、日弁連高齢者・障害者権利支援センター幹事、日弁連若手弁護士サポートセンター幹事。日経ビジネスコラム、その他書籍多数執筆。相続や離婚など誰もが巻き込まれる可能性のある一般民事事件から中小企業の法務、経営の相談まで幅広く取り扱っている。趣味はラグビー、ダイビング。

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