義父の暴力、多額の借金…家庭トラブルから「過換気症候群」で倒れた3人の男性
妻子を失うかもしれない恐怖
「気を失っていないのですが、正直、記憶があいまいなんです。意識がもうろうとして、気が付いたときには点滴を打たれていました。動悸(どうき)が早く、耳鳴りもしていて、パニック状態でした」
恐怖体験を語るのは、3人目の相談者・西岡謙一さん(仮名、34歳)。謙一さんには愛する妻(34歳)とかわいい娘(4歳)がいるのですが、一方で、社内の女性部下(26歳)とも付き合っているようで…。
「彼女はもともと感情の起伏が激しく、言い方がきつくなることがあるのが欠点です。何度もけんか別れしようとしました」
謙一さんはそう振り返りますが、一時的に電話に出ず、メールやLINEの返事をせずにいると「謙ちゃんに認めてもらえるように頑張る。強くなるから」と懇願してくるのです。謙一さんが「もうダメだ。無理なんだよ」と突き放しても、彼女は「ごめんなさい。私が全部悪いから、頑張るから」と平謝りするので、ずるずると付き合ってきたのです。
謙一さんは当時、国家試験に向けて通信の大学に通っており、12月の試験本番に向けて、本腰を入れて向き合おうとしていた矢先でした。
「謙ちゃんの子どもを授かったよ。名前はどうしようか? 元気な子どもを産むことだけが私の楽しみ。これから大変だけど一緒に頑張ろうね」
彼女は突然、LINEでカミングアウトをしてきたのですが、謙一さんが何度、彼女に電話をかけても、彼女は電話を取ろうとせず、謙一さんは途方に暮れたのです。彼女の存在がバレたらどうしよう、彼女が子どもを宿していることを知れば離婚は避けられないだろう、どれだけ莫大(ばくだい)な慰謝料を取られるのか、娘にちゃんと会わせてくれるのか、家族を失っても彼女と一緒になるのは嫌だ、いやいや、産むって決まったわけじゃない、とにかく、堕ろしてくれるよう頼むしかない!
謙一さんは妻子を失うかもしれない不安に加え、ストーカー癖の彼女と結婚しなければならない恐怖、そして10日後に国家試験を控えたプレッシャーに押しつぶされ、スマホを片手に持った状態で胃がけいれんを起こし、倒れてしまったのです。
結局、彼女の妊娠疑惑は謙一さんの気を引くためのうそだったことが発覚したのですが、謙一さんは過呼吸の経験がトラウマになっており、彼女と付き合い続ける限りまた同じ目に遭うかもしれないので、ようやく彼女との関係を断つことを決め、スマホから彼女の名前を削除したのです。


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