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義父の暴力、多額の借金…家庭トラブルから「過換気症候群」で倒れた3人の男性

わが子の誕生をきっかけに体調が悪化

「会社から帰宅中、電車内で失神してしまったようですが、これが初めてではありません。6年前、自律神経失調症にかかり、胃潰瘍の症状もあったのですが、勤務を続けながら治療を続けてきました」

 涙ながらに振り返るのは、2人目の相談者・金井亮介さん(仮名、40歳)。亮介さん夫婦は結婚10年目。6年前に最愛のわが子が誕生したのですが、それをきっかけに亮介さんは体調を崩し始めました。

 妻の実家は自宅から3駅。亮介さんは、育児のために必要だろうと妻のために軽自動車を購入したのですが、妻は里帰りから戻った後も平日の昼間はほとんど実家に入り浸っていたそう。亮介さんは妻に「ちょっとお母さんに頼りすぎじゃないか」と苦言を呈したのですが、そのせいで夫婦関係が少しずつおかしくなっていったのです。

 例えば、亮介さんが息子さんと一緒にお風呂に入ったり、公園で遊んだり、保育園へ送ったり、献身的に育児を手伝おうとしても、妻は「あんたは臭いし汚い! こっちに近寄らないで!!」と、亮介さんから息子さんと引き離そうとしたのですが、それだけではありませんでした。

「私は子どもを愛してくれる人(男性)じゃないと愛情を感じられないわ」と言い、夫婦の性生活を拒んできたのですが、妻は自ら子育てへの協力を断っておきながら、「子どもへの愛情が足りない」という理由で肉体関係を拒絶するのだから支離滅裂です。

 次第に、妻は亮介さんの食事だけ作らなくなり、亮介さんは昼食をコンビニ弁当で我慢せざるを得なくなったのですが、最終的には夕食すら用意しなくなったので、外で夕食を済ませてから帰宅することを強いられたのです。

 亮介さんは家庭内で居場所を失い、妻子との会話もままならず、存在感は全くないようなありさまで病状は悪化の一途を辿ったのです。仕事に身が入らず、同じミスを繰り返すので人事考課は下がる一方。6年間で2度も部署を異動させられ、その都度給料が下がったのです。

「お恥ずかしい話ですが、同じ生活レベルを維持すべく借金をして生活費に回していました。借金の額面は150万円です」

 亮介さんが妻に頭を下げ、出費を切り詰めるよう頼み、生活費を減らすことができればよかったのですが、亮介さんがいくら誠意を示したところで、妻はにらみ返すだけで話にならないことは目に見えています。亮介さんは、収入減という悩みを1人で抱え込むしかなかったのです。

 亮介さんは、みるみる膨れ上がる借金を前に絶望感を抱いており、心療内科からもらった睡眠薬を飲んでも夜はほとんど眠れない状態に。疲労を回復せずに蓄積し続ければ早晩、倒れますが、出勤時ではなく退社時に過呼吸を起こしたのは、妻がいる自宅へ帰宅するのがよほど苦痛だったからでしょう。

「嫁に病気のことを理解してもらえないのが何よりもつらいです」

 亮介さんは心療内科の医師から「少し距離を置いた方がいい」とアドバイスされたので、遅ればせながら別居に踏み切ったのですが、妻子の家と自宅の家賃を二重払いせざるを得ない以上、今の給料がどうしても必要なので、ここまで追い詰められているのに会社へ休職願を出せないジレンマに陥っています。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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