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エリート球児だった46歳議員秘書と妻の離婚…選挙を通して見えた職業ゆえの特殊性

自宅の住所や家族写真が公開

「うちを事務所にするなんて聞いていないわ! (息子が)ストーカーに遭ったらどうするの?!」

 里穂さんは夫を問い詰めたのですが、たまたま事務所のホームページを見たところ、「選挙事務所が自宅になっていること」「自宅の住所が公開されていること」「家族写真が掲載されていること」を知ったのです。全て里穂さんには内緒でした。

 それなのに、夫は「子どもの写真は小さい頃のだから分からないでしょ!」「まだ事務所が見つからないなんだから仕方がないじゃないか!」「家を事務所にしたって誰も来ないよ!」と反論したのですが、翌日には秘書仲間や後援会のメンバーが自宅を次々と訪れたようで早々にボロが出てしまった格好。「やっぱり事務所として使ってるじゃない!」と里穂さんはあきれてものも言えなかったそうです。

 結局、夫はあくまでうそを認めず、「(夫のことを)手伝いに来てくれているんじゃないか? ちゃんとお礼を言ったのか? 『夫がいつもお世話になっています』くらい言えよ! お前は本当にダメな奴だな!! 特別なことじゃない。議員の先生の奥さんはみんなやっているぞ」と逆ギレし、その場を乗り切ろうとしたのです。里穂さんは開いた口がふさがらなかったそう。

 里穂さん夫婦の場合、夫が一切協力しない育児や家事の「ワンオペ」状態。里穂さんは心身ともに追い詰められている中、さらに夫の選挙活動に振り回された揚げ句、「ダメな奴」呼ばわりをされたのだから怒り心頭。最終的には「私は政治には一切興味がないし、政治家なんで嫌い! もう絶対に手伝わない!!」と夫を見放したのです。

「私たちも住んでいるだから、断りもなく勝手にポスターなんか貼らないで! 今すぐ剥がして!!」

 夫は自宅の塀や外壁はもちろん、居間や客間にもポスターを貼ったそう。思春期で反抗期、そして受験生の息子さんが嫌悪感を抱くのも無理はありません。そこで、里穂さんは息子さんの気持ちを代弁したのですが、夫はまたもや「選挙妨害で訴えてやる!」「党の力で潰してやるぞ!」と大きな声でまくし立てたのです。

「訴えるんだったら訴えればいいわ!」

 里穂さんはそう言うと、廊下にずらっと貼られていたポスターを剥がし始めたのですが、廊下にはポスターやチラシ、たすきや腕章などが大量に置かれており、足の踏み場もない状態。

 夫は売り言葉に買い言葉で「金かかってんだよ!」「もう、お前が出て行ってよ! 今すぐいなくなれ!!」「絶対に許さないからな!」と激怒し、里穂さんの腕をつかんだのですが、夫は元甲子園球児。体が大きく、筋肉も多く、腕力も人一倍なのでちょっと腕を払っただけでも威力が違います。足場が不安定なせいで里穂さんはおかしな転び方をして、高く積み上がったチラシの角におなかを打ち付けてしまい…みぞおちを抑えて「痛い、痛い!」と泣き叫んだそうです。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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