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エリート球児だった46歳議員秘書と妻の離婚…選挙を通して見えた職業ゆえの特殊性

傍若無人な夫に我慢を重ねてきた妻

「どんな手を使っても当選しないといけない! とにかく議員になることがお前らのためなんだ!!」

 今回の相談者・小野里穂さんの夫は、8年前から国会議員の秘書を務めていたのですが、8年間もでっち奉公を我慢してきたのは自分が議員になるため。そして、待ちに待った市議会議員選挙が公示され、念願の立候補に踏み切ったのです。

 夫は元甲子園球児で大学野球でも活躍したエリート中のエリート。「自分以外は、ばかばっかり」という感じで人を見下している節があり、特に家庭内で傍若無人の限りを尽くしてきたのです。結婚生活20年間、里穂さんは我慢に我慢を重ねてきたのですが、今回の選挙で堪忍袋の緒が切れ、ついには離婚を決断したのです。

 選挙告示の10カ月前、夫は「今度の市議会議員の選挙に出馬したいんだ」と里穂さんに相談したそうです。里穂さんは「選挙を手伝いたくない」とはっきりとは口にしませんでしたが、乗り気ではありませんでした。なぜなら、17歳の息子さんがちょうど受験の真っ最中だったからです。

 里穂さんは息子さんへの影響を懸念して、「お金は大丈夫なの?」と聞いたのですが、夫は「(金は)そんなにかからないよ。20万くらいでやった人もいるし、車も選挙カーを借りるし、それにカンパを募るつもりだから。選挙事務所には来なくていいよ」と半ば強引に里穂さんを丸め込んだのです。

「(移動用のレンタカーの)車を運転してよ。嫁なんだから当たり前でしょ?」

 それなのに、夫は選挙戦に突入すると前言をすっかり忘れていたようで、里穂さんにいろいろと頼んできたそう。もちろん、里穂さんは選挙を手伝うつもりはなく、「免許持ってるんだから自分で運転すればいいじゃない」と言い放ったのです。

 さらに、夫は「中学や高校の名簿を出してよ。選挙が始まったら電話するから。特に親しい友達を教えてくれよ」と命じたのです。里穂さんは「あんた(夫)が(友達に)借りを作れば、私が(友達に)返さないといけないじゃない。昔のクラスメートと今はほとんど付き合いもないし…好きなようにやっていいけど、私たち関係ないから」と苦言を呈したのです。

 それでも、里穂さんは見るに見かねて、性能の良い拡声器と旗竿などの備品をネットで安く買いそろえてあげたそう。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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