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常時17度で社員が通院…温度を低くする「エアコン奉行」上司、どうにかならない?

風邪でも労災認定の可能性は低い

Q.上司や先輩のエアコン奉行に、どうしても「勝手に冷房の設定温度を下げないでください!」と言えない場合、どのような自衛策がありますか。

木村さん「迷惑を被るのは男性よりも、寒がりの女性が多いです。そこで、オフィスの冷房で体が冷えないために女性ができる自衛策は、一般的ですが、カーディガンなどの上着や、ひざ掛け、靴下やレッグウオーマーなどを着用することです。移動や外出の場合に簡単に脱いだり着たりできるものがよいでしょう。

お尻の冷えを防止するために、椅子にクッションを使用することや、腰やおなかの冷え対策に腹巻きを着用することも有効です。例えば、シルクの腹巻きは薄手の生地ですが保温効果があり、洋服の下に着用しても体のラインに響かないのでお勧めです。普段から体を冷やさないようにするため、温かい飲み物や食べ物を取るのもよいでしょう。ただし、ホットコーヒーは逆に体を冷やしてしまうので注意が必要です。

また、オフィス内と外との温度差が大きいと、外出のたびに体が温度差に対応しようとするので体力を消耗します。疲れから体調を崩しやすくなりますので、しっかりと休息や睡眠を取ることが大切です」

Q.自衛策を講じても、室温の低さから風邪をひくなど体調を崩してしまった場合、労災を申請することはできますか。

木村さん「室温の低さから病気になった社員が、自ら労災の申請をすることは可能です。しかし、労災として認めるか否かは労働基準監督署が判断するため、申請すれば必ず認められるとは限りません。労災決定の判断材料として、会社の室温の低さが原因で病気となったことを申請者自身が書類で立証する必要がありますが、風邪については、あらかじめ自防策を講じれば病気は防げると判断され、労災が認められる確率はかなり低いと思います」

Q.エアコンの冷房をつけても、室内の冷え方にむらが出ます。冷房に頼り過ぎず、職場で均一に最適な室温にするためにできる工夫を教えてください。

木村さん「具体的には、先述したエアコン奉行への対応を行えばよいと思います」

【室内の空気を循環させる】

オフィスの空調には、冷房が効きすぎて寒い場所がある一方、ほとんど冷房が当たらず暑い場所もあるように、むらがあります。また、冷たい空気は部屋の下にたまりがちです。そこでサーキュレーターを使用し、室内の空気をかき混ぜて、むらを少なくします。狭い室内であれば、サーキュレーターの代わりに扇風機を使ってもよいでしょう。

【エアコンの吹き出し口を調整する】

エアコンの吹き出し口を下に向けた場合、冷たい空気が下にたまります。吹き出し口を水平にすると、冷たい空気が上から下へと流れるので室内温度のむらが低減します。

【空調をドライ(除湿)にする】

同じ温度でも、湿度が下がると暑さを感じにくくなります。湿度が15%下がると体感温度は1度下がるといわれています。除湿器やエアコンの除湿機能を上手に使って体感温度を下げましょう

(オトナンサー編集部)

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木村政美(きむら・まさみ)

行政書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

1963年生まれ。専門学校卒業後、旅行会社、セミナー運営会社、生命保険会社営業職などを経て、2004年に「きむらオフィス」開業。近年は特にコンサルティング、講師、執筆活動に力を入れており、講師実績は延べ700件以上(2019年現在)。演題は労務管理全般、「士業のための講師術」など。きむらオフィス(http://kimura-office.p-kit.com/)。

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