妻と元彼の子を自分の息子として育てた36歳男性、幸せを願い自ら身を引くまで(上)
自分と妻の子どもだと思っていた息子が、実は妻と元彼の子どもだと判明したとき、夫はどのような決断を下すのでしょうか。36歳会社員男性のケースを紹介します。

元・光GENJIの大沢樹生氏の「元息子」である大沢零次氏が逮捕されたのは1月29日。彼が釈放された瞬間が大々的に報じられたのは2月8日ですが、これだけ大きな注目を集めたのは、第1に「元息子」という聞き慣れない続柄で呼ばれたこと、第2に元息子のご尊顔が公衆の面前にさらされたので本当の父親捜しに熱が入ったこと、第3に元息子の容姿がなぜか「元父親」にそっくりだったことなどが挙げられます。
喜多嶋舞さんとの間の息子と大沢氏をDNA鑑定した結果、「親子ではない」と科学的に判明したことが話題となったのは4年前なのに、いまだに需要があることを示した形です。そこで今回、注目したいのは「交際相手への暴力」という事実です。なぜ彼は愛すべき恋人を傷つけたのでしょうか。
一連の経緯を振り返ると、零次氏が「愛情表現とは何なのか」を本当に知っていたのか甚だ疑問です。なぜなら、両親、父親、祖父母の順にたらい回しにされ、その都度、「愛してくれた人」を失うという苦痛を味わい、何度も心を痛めただろうことは容易に想像できるからです。
しかし、最も心を許していただろう樹生氏の裏切りは格別です。なぜなら、父親だと思っていた人が「父親ではない」ことが明らかになっただけではないのだから。「育ての親が産みの親になる」ことは可能でしょう。何もしなければ、零次氏の戸籍上の父親は樹生氏のままです。しかし、「元息子」と報じられているので、樹生氏は家庭裁判所へ親子関係不存在の申し立てをし、裁判所の許可を得て、わざわざ戸籍の父親欄を抹消したのでしょう。ただでさえ傷ついてる零次氏に対して追い打ちをかけた格好です。
「あいつは、いつ裏切るか分からないからな!」
そんなふうに、疑心たっぷりで相手をにらみつけていると、まともな人間関係が築けるわけがありません。相手が少しでも裏切るような素振りを見せたら大変。引き止めるためなら手段を選ばないという感じで、とっさに手を上げてしまったのかもしれません。「これ以上、傷つきたくない!」という焦りが背景にあるのでしょう。
愛されれば愛されるほど不安が膨らんでいくという悪循環です。彼の愛情表現の稚拙さが複雑な出自や特殊な家庭、そして、過去の悪夢によるものなら、彼だって被害者の一人ですし、母親や「本当の父親」は加害者だと言えるでしょう。
司法統計(平成24年)によると、親子かどうかを争う事案(親子関係不存在確認の申立件数)は1365件も存在するので、今回のケースはあくまで氷山の一角に過ぎず、「不倫の子」は世の中に一定数存在するのです。ほとんどの家庭では「産みの親」と「育ての親」は同じです。別々にいること自体が異常なのです。
「もしかすると、妻が『別の男』の子をはらんでいるのではないか?」
そんな邪念が頭をよぎったとき、夫はどのような判断をすればよいのでしょうか。前回は、私のところの相談実例から「父親を続ける」ことにしたケースを紹介しました。今回は、逆に父親をやめることに決めたケースを取り上げましょう。何が決断の明暗を分けるのでしょうか。
「僕と妻が結婚したのは6年前です。いわゆる『でき婚』でした。翌年の1月、長男が生まれたのですが、実は…僕の子ではないような気がするんです」
そんなふうに、相談のしょっぱなから問題発言を私にぶつけてきた鈴木圭史さん。「自分の子ではない」とは聞き捨てなりませんが、一体どういうことなのでしょうか。


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