妻と元彼の子を自分の息子として育てた36歳男性、幸せを願い自ら身を引くまで(上)
宗教上の理由から産むしかなかった妻
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名)>
夫:鈴木圭史(36歳)→会社員(年収400万円) ※今回の相談者
妻:鈴木真希(33歳)→専業主婦。離婚を切り出してからパートタイマー
夫婦の子:鈴木郁也(6歳)→当初は夫と妻の子。途中から妻と不倫相手の子に
妻の不倫相手(元彼):岩田誠(34歳)→会社員(年収600万円)
「だって、僕も妻も血液型はO型、でも、子どもはB型。どう考えてもありえない組み合わせでした。もしかして妻が二股をかけていたのでは、僕とは別に『そういうことをした』オトコがいるのではないかと」
圭史さんいわく、疑惑の的は「妻の元彼」。妻が圭史さんと知り合う前に彼と付き合っていたのですが、圭史さんはてっきり、妻がきちんと元彼と別れたものと思っていました。しかし、実際には、圭史さんと交際を始めて以降も元彼とずるずる続いていたのではと、疑っていたのです。
このように、圭史さんが妻に疑いの念を向けた最初のきっかけは血液型ですが、それだけではありませんでした。圭史さんには身に覚えがなかったのです。妻が出産した日からさかのぼって10カ月前のタイミングで性交渉をした覚えが。ちょうどその頃、圭史さんと妻はささいなことでけんかになり、一時的に連絡を取り合っていなかったので、記憶違いではなさそう。
一方、身に覚えがあるはずの妻はどうだったのでしょうか。妻は妻で、種の主が夫(圭史さん)でないことは当然分かっていたはず。とはいえ、「婚約中だけれど元彼と寝た」などと正直にカミングアウトすることははばかられます。しかし、このまま何もせずに出産すれば、「他人の子を夫に育てさせる」という苦行を夫に強いることに。妻の中に「子どもを諦める」という選択肢はなかったのでしょうか。
「妻はクリスチャンなので産むしかなかったようです」
圭史さんの言うように、キリスト教の中でもカトリックは中絶を禁止している宗派です。つまり、妻には宗教上の理由で「夫の子ではないから諦める」という道は存在しなかったのですが、それにしても身から出たサビを夫になすりつけるなんて。
現在、出産時のDNA鑑定は義務付けられていないので、圭史さんは確証を持てないまま、妻、そして子どもとの結婚生活を続けるしかありませんでした。夫をだます形で出産した妻はどんな顔で日常生活を送ったのでしょうか。例えば、妻は圭史さんと一緒にいる間も頻繁に席を外したり、外に出たり、トイレに行ったりしており、絶対にスマートフォンを手放さなかったそうです。圭史さんの目を盗んで「誰かと」電話やメール、LINEをしていることはお察しの通り。さすがの圭史さんも子の父親が「元彼ではないか」と勘付いていたそうです。
それなのになぜ、妻に対して事の真偽を確かめなかったのでしょうか。圭史さんは当時の心境をこんなふうに振り返ってくれました。
「自分の子でなかったことがとてもショックで、そのとき、離婚も考えたのは確かです。当時は口にしませんでしたが…しかし、子どもに罪はないですし、何だかかわいそうになり、結局は育てることにしました」
息子さんはとてもかわいい子で、圭史さんのことを「お父ちゃん」と慕ってくれたそうです。だから、圭史さんも自分の子ではないのに「自分の子」だと自分に言い聞かせながら、何とかだましだまし育ててきたのです。


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