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ワンワン、ブーブ、マンマ…子どもの「幼児語」を親は修正すべき? 正しい接し方は?

子どもが話す「幼児語」は、かわいらしく思えますが、接し方に迷う人も多いようです。子育て本著者が勧める話し方とは?

「幼児語」を話す子どもへの正しい接し方とは?
「幼児語」を話す子どもへの正しい接し方とは?

「ワンワン(犬)きた」「ブーブ(車)乗りたい」「マンマ(ご飯)食べる」。少しずつ言葉を発するようになった子どもが話す、かわいい「幼児語」。親や周囲の大人も、つい一緒になって使ってしまうものですが、ネット上では「言い直させた方がよいのかな」「どう会話するべきか迷う」「正しい日本語を覚えるのが遅くなったらどうしよう」などの声が上がっており、悩む親も多いようです。

 幼児語を話し始めたわが子とのコミュニケーションや、正しい言葉を教える方法とは、どのようなものでしょうか。20年間にわたって学習塾を経営し、著書に「1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ」(日本実業出版社)などがある、子育て本著者・講演家の立石美津子さんにお話を伺いました。

対応誤ると「卒業」できない場合も

「ワンワン」「マンマ」など、子どもが話す「幼児語」は幼い声も相まって、とてもかわいいです。子どもに合わせて「マンマ食べようね」などと声をかける親も多いでしょう。

 しかし、かわいいからといって周囲の大人がずっと幼児語を使っていると、子どもが自分で話す言葉と、耳に入る親の言葉が同じままになり、いつまでたっても幼児語を卒業できなくなってしまう可能性があります。

 そもそも、子どもが幼児語を発するのは、顎や舌、歯などの発達が未熟で上手に発音するのが難しく、「ご飯」よりも「マンマ」、「犬」よりも「ワンワン」の方が言いやすいからです。

 ですから、子どもの幼児語を禁止する必要はありません。子どもが幼児語を発するたびに、「ワンワンじゃなくて『犬』でしょ!」と叱ったり、「犬」と言えるまで言い直しを繰り返させたりすると、子どもは「言葉を発すること」に不安を感じ、おしゃべりをしなくなってしまいます。

 幼児期に大切なのは、子どもが自ら進んで多くの言葉を発することです。それに対して、親や周囲の大人ができるだけ多くの言葉を返し、「言葉のシャワー」を浴びせてあげることで、語彙(ごい)力がどんどん育っていきます。子どもの幼児語を封じ込めるのではなく、積極的に発することができる環境づくりを心掛けましょう。

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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