「特別支援学校のPTAに入る意味ある?」 “ママ友の言葉”が忘れられない自閉症児の母 3年後に出した“答え”
知的障害がある自閉症の息子を育てる女性ライターが、息子が通う特別支援学校のPTAに加入して感じたことについて、紹介します。

ライターとして活動するべっこうあめアマミさんは、知的障害を伴う自閉症がある息子と、きょうだい児である娘を育てながら、発達障害や障害児育児に関する記事を執筆しています。
アマミさんによると、特別支援学校のPTAの場合、地域の普通の学校とは違い、旗振り当番や校庭の見守りなどの活動を行わないとのことです。そのため、息子が特別支援学校に入学した当初、アマミさんはママ友から「特別支援学校のPTAって入る意味ある?」と聞かれたことが心に残ったといいます。
それでも3年後、PTA役員として活動したアマミさんは、「やっぱりPTAに入る意味があった」と実感したそうです。特別支援学校のPTAの「特別な意味」について、アマミさんが紹介します。
特別支援学校のPTAに入らなくても支障はないけど…
私と息子は、発達に課題のある子どもの自立を支援する「療育」に通っていました。
息子が特別支援学校に入学した当初、その療育で知り合ったママ友から「特別支援学校のPTAって入る意味ある?」と聞かれたのをよく覚えています。
「今どきPTAは自由参加だし、うちはやめようかな…」と続けて話す彼女に、私は相づちを打ちつつ、心の中で少しだけ違う思いを持っていました。
私の息子は知的障害を伴う自閉症があり、地域の小学校ではなく特別支援学校に通っています。
確かに、特別支援学校に通う子どもは「友達と一緒がいい」などと言うことは少ないかもしれませんし、煩わしいPTA活動や役員などから逃れても、特に子どもに不利益はないと思います。
通学範囲が広く、多くの保護者が遠くに住んでいる特別支援学校では、ママ友付き合いも緩やかで、PTAの「メリット」は見えにくいかもしれません。
しかし、実は特別支援学校のPTAには、他の学校とは違う深い意味があるのです。私はその3年後、特別支援学校でPTA役員を引き受けたことで、「やっぱり意味がある」と実感するようになりました。
通学範囲が広い特別支援学校ならではの事情
特別支援学校は、地域の小中学校とは大きく違います。まず、通学範囲がとても広いです。同じ学校でも、生徒によって住んでいる市区町村が異なることも多く、中にはスクールバスで1時間程度かけて通う子もいます。
だから、地域の旗振り当番や通学路の見守り、校庭解放の見守りなどはありません。特別支援学校に通う子どもは比較的重度の障害を抱えており、子どもたちが1人で外出することもほぼないため、防犯パトロールなどの地域密着型の活動もありません。
こうしたことから、「PTAで何をしているのか分かりづらい」という印象を持たれがちです。しかし、「やっていないこと」ではなく、「やっていること」に目を向けると、特別支援学校ならではの活動が見えてきます。
親としての学びが多いPTA活動
特別支援学校のPTAでは、子どもの将来に関する学びの機会が多くあります。例えば、障害児の発達や育ち、障害がある子ならではの将来についての勉強会や、卒業後に通うかもしれない作業所の見学会など。これらは、PTAが主催、企画していることも多いのです。
私も役員として関わる中で、講師から、福祉制度などについて話を聞く機会がありました。福祉は「申請主義」で、待っていても何も支援は得られません。そのため、「知っているか知らないか」で、大きく違ってくるのが障害児の子育て。そんな大事な知識を得られる場として、PTAの活動はとてもありがたいものでした。
「障害児者家族の団体」としてのPTA
PTAは「学校の保護者団体」と思われがちですが、特別支援学校のPTAはそれだけではありません。障害のある子どもたちの保護者が集まった「障害児者家族の団体」として、社会に働きかける活動もしています。
私が役員をしていた年には、都道府県に対して福祉施策の改善を求める要望書を提出したり、実際に庁舎に赴いて発言したりする機会がありました。要望の内容は、他の特別支援学校のPTAや障害者団体などとも連携してまとめたもので、教育、福祉サービス、医療にわたる幅広いテーマがありました。
1人では声を上げられないことも、仲間となら伝えられる。
私と一緒にPTAの役員をした人は、何年も役員を担当していましたが、「障害があって、なかなか声を上げられないわが子の代弁者となろうと活動している」と言っていました。そんな経験を通して、私は、「PTAって、子どもの未来にちゃんとつながっているんだ」と思えるようになりました。
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