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【子育て】「ご褒美で釣るしつけ」ってしてもいいの?→ヒントは発達障害児の「療育」にあった

子どものしつけに「ご褒美で釣る」方法を使っていいのか迷う親は多いと思いますが、発達障害児を育てた筆者は「療育」にヒントがあると考えます。

(C)あべゆみこ
(C)あべゆみこ

 水族館のアシカショーを見たことがありますか? アシカが芸をすると、飼育員がアジなどの魚を与えます。アシカは餌を目的に芸を頑張るのですね。

 では人間の場合、「餌でしつけ」はよい方法なのでしょうか。それとも悪い方法なのでしょうか。発達障害児を育てた、子育て本著者・講演家の筆者が考えます。

ご褒美は“動機付けのツール”

 発達障害児の療育の中で、言葉は悪いですが、「(ご褒美としての)餌で釣る」ことがあります。「トークン」というものです。

 自閉症の子は、生まれつきの想像力の障害により、見通しが立たないことに対して理解がなかなかできません。また、視覚優位の子どもも多く、目に見えない形の拍手や「すごいね」「偉いね」「できたね」「頑張ったね」の言葉は出した瞬間、よく伝わらずに消えていきます。これだと達成感を覚えづらい子もいます。

 そのため、頑張ったとき、達成したときに「トークン」という“目に見える形のご褒美”をあげるのです。シールがもらえたり、集めたシールをおもちゃに交換できたりと、療育施設の中でさまざまなトークンが活用されています。

 発達障害児の療育の場では、トークンを与えるタイミングや、何がトークンに適しているかを練りに練って考え、療育を続けていきます。友達にすぐ手が出る子に、手が出なかったときにトークンを与え、出てしまったらトークンを剥奪(はくだつ)する……などです。

 これを、定型発達児のしつけのときに利用しない手はありません。ただ、安易にまねするのではなく、次に挙げるような「親がつい言ってしまいがちな言葉」に注意する必要があります。

・宿題をちゃんとやったら、ゲームを買ってあげる
・お片付けしたら、お菓子を買ってあげる
・お年寄りに席を譲ってあげたら、欲しいものを買ってあげる

 これらは、あまりよい言葉がけとはいえません。どうしてかというと、ご褒美(=餌)が子どもにとって高級すぎるからです。こうした言葉がけを続けていると、「ご褒美が与えられないとやらない」という悪習慣がついてしまう危険性があります。

 それに、高価なものを与えすぎると、だんだんと本当にお金がかかるご褒美を要求するようになり、「携帯電話を買ってくれ」「バイクを買ってくれ」とエスカレートしてしまったら大変です。

 ご褒美はあくまでも“動機付けのツール”です。スタンプやシール止まりにしておいた方が賢明だと、私は思っています。

【画像】「えっ…そうだったの…?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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