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今年の患者数6000人超も? 「梅毒」の原因・症状・予防&治療法

近年「梅毒」の感染者が急増しています。主な症状や予防策について、医師に聞きました。

梅毒の症状や予防策は?
梅毒の症状や予防策は?

 性行為などによって感染する「梅毒」について先日、ネット上で話題になりました。国立感染症研究所の集計によると、2018年6月までの患者数(3236人)が、2017年同期の患者数(2613人)を大きく上回りました。2018年上半期の患者数の推移から、このままのペースで患者数は6000人を超えるとみられています。

 ネット上では「怖い」「どんな病気か知らない」「どんな治療をするの?」など、さまざまな声が上がっています。患者数が急増している梅毒とは、どのような病気なのでしょうか。医師の尾西芳子さんに聞きました。

放置すると死に至ることも…

Q.梅毒とはどのような病気でしょうか。原因や症状について教えてください。

尾西さん「梅毒とは『梅毒トレポネーマ』という細菌による感染症で、性交渉で感染します。感染後1カ月後くらいで、感染した場所(唇や陰部、口腔咽頭粘膜、陰部周辺、肛門周辺など)に丘疹(皮膚の隆起)、びらん(ただれ)、潰瘍(かいよう)などの症状が現れます。リンパ節が腫れることも多いです。

感染後3カ月後くらいで、全身の皮膚に紅斑や丘疹、脱毛斑、肉芽腫などが見られたり、腎臓や胃、肝臓などさまざまな臓器に病変が見られたりすることもあります。また、妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産や早産、新生児死亡、奇形などが起こることがあります。

感染しても初期には症状がなかったり、症状が軽くて気付かなかったりする場合もあります」

Q.梅毒に感染しやすい人の特徴とは。

尾西さん「梅毒患者は、2012年の875人から2016年の4559人へと、4年で5倍以上に急増しており、男性では40代、女性は20代が最多です。コンドームを使用しない性交渉やオーラルセックスをする人は、感染しやすいと言えます」

Q.梅毒感染後、受診・治療せず放置するとどうなりますか。

尾西さん「感染後数年を経て、皮膚や筋肉、骨などにゴム腫と呼ばれる腫瘍が発生することがあります。心臓、血管、脳、神経などの臓器に病変が生じると、場合によっては死に至ることもあるため、早めの受診が肝心です」

Q.梅毒の感染が疑われる場合、病院では何科を受診すべきでしょうか。

尾西さん「性的接触の後、いつもと違う症状を感じたら早めに医療機関を受診し、血液検査(抗体検査)を受けましょう。皮膚科や感染症科、男性は泌尿器科、女性は産婦人科で診察を受けることができます。口の中に異常が生じた場合は、耳鼻咽喉科などで診察を受けることも可能です」

Q.病院ではどのような治療が行われますか。

尾西さん「抗生剤の内服を行いますが、場合によっては入院の上、抗生物質の点滴を行います。適切に治療を行えば、完治する病気です。ただ、完治しても再度感染する可能性はあるので、きちんと予防する必要があります」

Q.梅毒の予防法について教えてください。

尾西さん「梅毒の病原体である梅毒トレポネーマは、傷口からの滲出液や精液、膣分泌液、血液などの体液に含まれており、パートナーの粘膜や傷口などと直接接触すると感染します。実際には、感染経路の多くが性器や肛門、口など粘膜を介する性的接触となっていますので、まずはコンドームをしっかり使用することです。

避妊のためにピルを内服している場合や、オーラルセックスでも感染のリスクがあるので、コンドームの使用を心掛けてください。さらに、パートナーを1人に限定することなどでも感染の拡大が防げると言われています。

近年は、梅毒という病気を知らない人が増加しているため、知らない間にうつされたり、他人にうつしてしまっていることがあるので注意しましょう」

(ライフスタイルチーム)

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は高輪台レディースクリニック副医院長。「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性のすべての悩みに答えられるかかりつけ医を目指している。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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