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【夫婦と年金】共働きと専業主婦、“ゆとりある老後”の必要資金はどれくらい違う?

FP「65歳までの必要資金も考慮を」

 それでは共働きと専業主婦それぞれの世帯の年金額を先述の老後資金と照らし合わせてみましょう。

 共働き世帯が65歳以降に「ゆとりある生活」をする場合、毎月の必要額35.4万円に対し年金額は31万円。つまり毎月4.4万円が不足し、女性の平均余命24年で考えた場合、不足総額は1267万円になります。

 共働き世帯が「一般的な生活」で満足できる場合、毎月の必要額22万円に対し年金額は31万円。つまり毎月9万円が余ることになり、24年間で合計2592万円のプラスになる計算です。

 専業主婦世帯はどうでしょうか。

 65歳以降に「ゆとりある生活」をする場合、毎月の必要額35.4万円に対し年金額は22万円。毎月の不足額は13.4万円で、24年間の不足総額は合計3859万円になります。「一般的な生活」で満足できる場合、毎月の必要額と年金額は同額の22万円であるため、トントンということになりそうです。

 中尾さんは「これはあくまでモデルケースであり、また年金がもらえない60歳から65歳までの必要資金も合わせて考える必要があります」と話します。(この期間の必要資金については前回の記事で取り上げています)

(オトナンサー編集部)

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中尾剛(なかお・たけし)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

1983年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、2006年大阪ガス入社。営業、企画マーケティング部門でガス機器の製造からプロモーション、販売施策立案、施工・メンテ連携など幅広い業務に携わる。2015年3月に外資系大手生保のコンサルタントに転じ、個人顧客のライフプランニングや相続対策、不動産売買など、さまざまな重要ライフイベントのサポートに従事。また、経営者向けに、事業承継や活動計画立案、従業員育成などの支援を行う。月に2回程度、税理士や行政書士、弁護士らと連携した「相続セミナー」を大阪や名古屋で開催。経営理念は「関わるすべての方が幸せになるお手伝いをする~一燈照隅~」。

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