「のど飴」なめるメリットは? 覚えておきたい“注意点”も 薬剤師が解説
のど飴をなめるメリット、注意点について薬剤師に聞きました。
喉の調子が悪いときに、のどあめをなめる人は多いと思います。そもそも、のどあめにはどのような効果があるのでしょうか。また、のどあめをなめ過ぎると、体にどのような影響があるのでしょうか。のどあめをなめるメリットや注意点などについて、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。
喉の痛みが強い場合は受診を
Q.そもそも、のどあめをなめるメリットについて、教えてください。喉の調子が悪いときになめる人が多いと思いますが、本当に喉の症状を改善するのに効果があるのでしょうか。
真部さん「のどあめをなめるメリットとして、『唾液の分泌を促進』『喉の保護』『殺菌・消炎効果』『鎮静効果』が挙げられます。
のどあめをなめることで、口内が刺激されて唾液の分泌が増加します。喉が潤うことにより乾燥や炎症が和らぎ、喉の違和感や軽い痛みが緩和されます。また、のどあめに含まれる成分は喉の粘膜をコーティングするので、外部からの刺激や乾燥を防ぐ効果もあります。特に、寒い季節や乾燥した環境では喉の保護に役立ちます。
そして、一部ののどあめには、殺菌成分や消炎成分が含まれているものがあります。メントールやハッカ油が含まれるものは喉の腫れや痛みを軽くしてくれますし、プロポリスやハーブエキスが含まれているものは軽い炎症を抑える働きも。甘草エキスやハチミツが含まれているのどあめは、喉の痛みを和らげる効果が期待できます。
このように、のどあめは軽度の喉の違和感や痛み、乾燥を一時的に緩和するには効果的です。しかし、のどあめ自体が重い喉の痛みや感染症を治療するわけではないことを覚えておきましょう」
Q.のどあめをなめ過ぎると、体にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。のどあめの1日の摂取目安量など、なめる際の注意点がございましたら、併せて教えてください。
真部さん「のどあめは適量であれば喉に良い効果をもたらしますが、過剰に摂取するとカロリー過多や虫歯、消化不良、添加物の影響などのリスクがあります。
のどあめには糖分が多く含まれているものが多いため、肥満や血糖値の上昇を招く可能性があります。特に糖尿病のリスクがある人やダイエット中の人は注意が必要です。また、糖分が多いのどあめを頻繁に摂取すると、虫歯のリスクも高まります。特に、夜間や寝る前にのどあめをなめるのは避けた方がよいでしょう。
そのほかにも、のどあめの一部にはソルビトールやキシリトールが使用されています。これらの成分は消化器官で吸収されにくいため、大量に摂取すると下痢を引き起こすことがある点にも注意が必要です。また、のどあめには人工甘味料や着色料、防腐剤などの添加物が含まれている場合があります。これらの成分を過剰に摂取することで、体に負担をかけることもあります。特に添加物にアレルギーがある場合は注意が必要です。
のどあめの摂取目安はメーカーや成分によって異なるため、パッケージの表示を確認して適量を守ることが重要です。また、喉につかえてしまう可能性があるので、5歳未満の子どもには与えないでください」
Q.のどあめをなめても喉の症状が改善されない場合、なめるのをやめた方がよいのでしょうか。医療機関を受診する目安も含めて、教えてください。
真部さん「のどあめは一時的に喉の不快感を和らげるのに効果的ですが、根本的な原因を治療するものではありません。特に1~2日間、のどあめをなめても症状が改善しない場合は、単なる喉の乾燥や軽い炎症以上の問題がある可能性があるので、医療機関を受診しましょう。
医療機関を受診する目安として、『喉の痛みが強い場合』のほか、『発熱やその他の症状がある場合』『声が出にくくなった場合』『飲み込むのがつらい場合』が挙げられます。
喉の痛みが強い場合はウイルス感染や細菌感染が疑われます。また、発熱など、他の症状がある場合はインフルエンザやへんとう炎の可能性もあります。声が出にくくなった場合は、そのままにしておくと、声帯に負担がかかってしまいます。飲み込むのがつらい場合はのどあめでは改善ができません。これらの症状があった場合には、早めに医療機関での相談が必要です」
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のどあめは軽度の喉の痛みや違和感、乾燥を一時的に緩和するには効果的な製品です。しかし、のどあめ自体が重い喉の痛みや感染症を治療するわけではありません。喉の痛みや違和感が続くようであれば、痛みの程度やその他の症状をよく観察した上で、医療機関を受診するようにしましょう。
(オトナンサー編集部)
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