「酔い止め薬」で“乗り物酔い”を予防できるのはなぜ? 効果&注意点を薬剤師に聞く
酔い止め薬を飲むと、乗り物酔いを予防できるのはなぜなのでしょうか。酔い止め薬の効果や服用時の注意点について、薬剤師に聞きました。
乗り物酔いをしやすい人にとって役立つのが「酔い止め薬」です。乗り物に乗る前に服用することで、乗り物酔いを予防できるといわれており、旅行の際に活用する人は多いと思います。
ところで、酔い止め薬を飲むと、なぜ乗り物酔いを予防できるのでしょうか。酔い止め薬の作用や服用時の注意点について、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。
三半規管や消化器官の刺激を軽減
Q.酔い止め薬を飲むと酔いにくくなりますが、体にどのように作用しているのでしょうか。
真部さん「そもそも乗り物酔いは、めまぐるしく変わる景色や揺れなどのさまざまな刺激が、脳で同時に処理される際に混乱を起こし、自律神経を乱してしまうことによって、生じます。その際、吐き気やめまいなどの症状が現れます。
そこで、薬の成分によって自律神経の乱れを緩和させ、三半規管や消化器官の刺激、緊張感を軽減させることで、酔いや不快感を抑えることができるのです」
Q.酔い止め薬を服用する際の注意点について教えてください。酔いに気付いてから服用しても問題はないのでしょうか。
真部さん「服用のタイミングとしては、酔いに気付いてからでも構いませんが、あらかじめ車や電車、バスなどに乗ることが分かっている場合は、乗車の30分前を目安に服用すると、乗り物酔いの予防になると思います。
副作用として、眠気が現れる人もいるため、ご自身が乗り物を運転する場合は服用を避けましょう。また、服用時はアルコール類の摂取を控えてください。妊娠中の人や授乳中の人のほか、前立腺肥大症や緑内障などを患っている人は服用前にかかりつけの医師などに相談することをお勧めします」
Q.もし酔い止め薬が手元にない場合、他の薬で代用することは可能なのでしょうか。
真部さん「市販薬であっても、他の薬で代用するのは危険が伴うことがあるため、絶対にやめましょう。風邪薬などの中には、酔い止め薬に使われる成分と同じものが含まれている薬もありますが、成分量が少ないため、つい多く服用してしまう危険性が高まります。
本来の目的とは違った目的で薬を服用してしまうと、副作用が強く出てしまうことがあります。特に市販薬の服用は自己責任となるため、きちんと効果に即した薬を服用してくださいね」
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酔い止め薬は用法容量をしっかり守り、正しく服用するようにしましょう。また、前日にはしっかりと睡眠を取り、乗り物に乗る前に食べ過ぎないようにするなどの対策もお勧めです。
(オトナンサー編集部)
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