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異常に氷が食べたい「氷食症」 「冬場も食べてる」「治療できるの?」と話題に、どんな病気?

異常に氷が食べたくなる「氷食症」が話題です。その原因や対処法を医師に聞きました。

氷食症の原因や治療法とは?
氷食症の原因や治療法とは?

 SNS上を中心に、「氷食症」が話題となっています。「昔からずっと氷をガリガリ食べてしまいます」「体が冷えてしまうけどやめられない」「冬場も食べてる」「治療できるの?」などさまざまな声が上がっていますが、一体どのような病気なのでしょうか。氷食症の原因や治療法について、医師の尾西芳子さんに聞きました。

貧血の人は発症しやすい

Q.「氷食症」とは何でしょうか。

尾西さん「氷食症とは、異常に氷が食べたくなる病気です。詳細は未解明ですが、脳の酸素不足による満腹中枢や体温調節中枢への影響が原因と考えられています。そのため、貧血になると症状が出る人が多いです。貧血の中でも、鉄分が不足するタイプの『鉄欠乏性貧血』の人に目立って見られますが、鉄欠乏性の人が必ず氷食症になるわけではありません。

その他、『強迫神経症』(あることをせずにはいられなくなる精神疾患)の症状の一つとして、氷食症を発症することもあります」

Q.自分が氷食症かどうか見極めるポイントとは。

尾西さん「以前はそうではなかったのに、『1カ月以上、氷を食べずにはいられない』『製氷皿1皿の氷を一気に食べ切ってしまう』などの症状がある人は要注意です」

Q.氷食症を発症しやすい人の特徴はありますか。

尾西さん「特に思春期や妊娠中、授乳中の女性で多く見られますが、この場合は一時的なものにとどまります」

Q.氷食症の治療法について教えてください。

尾西さん「まずは内科を受診しましょう。貧血かどうかを調べることができます。鉄欠乏性貧血が原因の場合、まず鉄剤の内服によって貧血を治します。生理の量が多い人は産婦人科を受診するのもお勧めです。これらの治療でもよくならない場合は、胃や腸の出血、婦人科の病気、ピロリ菌がいる場合などがあるので、それらの検査を行いましょう。

氷を食べる以外にも、鍵をかけたか何度も確かめる、手を異常に洗わないと気が済まないなど、強迫神経症の症状も併発している場合、精神科を受診してください。氷食症により歯が折れたり、すり減ったり、顎(がく)関節症になったり…という2次的な障害が起きることもあるので、早めの治療が必要です」

Q.氷食症を予防する方法や、日常生活で気を付けるべきことは何でしょうか。

尾西さん「最近はダイエットで鉄欠乏性貧血になる女性が増えているので、食事内容に注意しましょう。女性や貧血気味の方に積極的に食べていただきたいのが、赤身の肉や魚です。ほうれん草などの野菜にも鉄分は含まれますが、肉や魚などに含まれる『ヘム鉄』という鉄分の方が、体に吸収されやすいことが分かっています」

(ライフスタイルチーム)

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は高輪台レディースクリニック副医院長。「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性のすべての悩みに答えられるかかりつけ医を目指している。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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