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最近よく聞く「防風通聖散」ってどんな漢方薬? 薬剤師に聞いて分かった「服用を控えた方がよい人」とは

漢方薬の一つである「防風通聖散」。どんな効果が期待できる薬なのかを知っている人はまだまだ少ないかもしれません。服用時の注意点とあわせて、薬剤師に聞いてみました。

「防風通聖散」はどんな漢方?
「防風通聖散」はどんな漢方?

 最近よく聞かれるようになった「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という漢方薬。その名前を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。「漢方=健康によさそう」なイメージがあるものですが、健康食品のような感覚で気軽に飲み始めてしまうと、思わぬ副作用が起こる可能性もあるようです。そこで、「防風通聖散」を服用する際の注意点や控えた方がよい人について、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。

同時服用で過剰摂取のリスクも

Q.最近よく耳にする「防風通聖散」とは、どんな漢方薬なのですか。

真部さん「防風通聖散は、大黄・甘草・シャクヤク・桔梗・サンシシ・麻黄など18種類の生薬が含まれている漢方薬です。体を温め、熱を発散させることで、主におなか周りの脂肪の分解・燃焼や、便秘・吹き出物の改善などへの効果が期待できるものです」

Q.「防風通聖散」は誰でも服用してよいでしょうか。

真部さん「体質や年齢などによって、服用を控えたり、量の調整を行ったりする必要があります。

例えば、体質の話で言うと、体力が落ちている人や胃腸の弱い人、冷え性の人、甲状腺機能の異常がある人などは副作用が大きく出てしまうリスクがあるため、服用を控えた方がいいかもしれません。また、生理機能が落ちている高齢者の人や妊娠している人なども、服用には注意が必要です」

Q.その他、漢方の服用に関する注意点とは。

真部さん「『漢方薬は副作用があまりない』と思っている人もいるかもしれませんが、実はそんなことはないのです。漢方薬もれっきとした薬ですから、効果が出ればそれだけ副作用のリスクもあります。また、他の薬との飲み合わせで副作用のリスクが高まることもあります。これは、どの漢方薬にもいえることですね。

例えば胃腸の弱い人、体力のあまりない人など、体質によって避けた方がいい生薬が含まれています。飲み合わせでは、センノシドを含む便秘薬は『大黄』の成分と重複してしまいます。

また、『甘草』などの生薬は多くの漢方薬に含まれており、複数の漢方薬を同時に服用すると過剰摂取になるリスクもあります。特に通院中の人は、かかりつけの医師や薬剤師に、飲んでもいいのか相談していただくことをおすすめします」

* * *

 近年、「ダイエット」や「体質改善」などをうたった漢方が話題になることがありますよね。確かに、漢方薬は徐々に効き目が現れて体質を改善する働きをするものも多いのですが、決して「副作用がない」「穏やか」ということはないようです。ドラッグストアなどで気軽に購入できるものも多いですが、他の薬やサプリメントなどとの飲み合わせに危険が生じることもあるため、服用する際には医師や薬剤師としっかり相談するようにしましょう。

(オトナンサー編集部)

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真部眞澄(まなべ・ますみ)

薬剤師

東京薬科大学を卒業後、日商岩井(現・双日)に勤務。結婚、出産後、調剤薬局に23年間勤務をしながら「お薬だけに依存させない薬剤師」として活動中。現在お薬を飲み始めた40代・50代の女性に、薬だけに頼らない改善策をアドバイスしている。薬を勧めるはずの薬剤師が薬だけに依存させないことを目指すのは、多くの患者の10年後、20年後の薬の量が2倍、3倍になるのを見てきたから。初期に「より踏み込んで改善策を伝えていたら減薬や維持ができたのでは」と後悔し、これを目指すきっかけとなった。公式ホームページ(https://m-inflore.com/)。

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