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種類が多くて迷う…「胃薬」ってどうやって選べばいいの? 注意点を薬剤師に聞く

市販の胃薬を選ぶ際のコツや注意点について、薬剤師に聞きました。

市販の胃薬を選ぶ際の注意点は?
市販の胃薬を選ぶ際の注意点は?

 胃の調子が悪いときに、市販の胃薬を購入する人は多いと思います。ただ、ドラッグストアに行くと、さまざまな種類の胃薬が売られており、どの薬を選んだらよいのか迷うことがあります。自分の症状に合った胃薬を選ぶには、どうしたらよいのでしょうか。市販の胃薬を選ぶ際のコツや注意点について、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。

Q.そもそも、市販薬と処方薬とではどのような違いがあるのでしょうか。

真部さん「市販薬と処方薬の大きな違いは『効果の強さ』です。基本的に、処方薬は医師が診断し処方するため、その効果はより強力です。一方、市販薬はさまざまな症状に対して広範囲に効果がありますが、その効果は比較的穏やかという特徴があります。

ただ、市販薬にもさまざまな種類があり、中には、店の薬剤師から説明を受けなければ購入できない薬もあります。このような薬は処方薬と同程度の効き目が期待できるものの、副作用などのリスクもより高くなると考えられているため、服薬指導が必要であるのが特徴です」

Q.市販品の胃薬を選ぶときのコツや注意点について、教えてください。

真部さん「市販薬は非常に多くの種類がありますが、薬を比較するときに見ていただきたいのは『成分による違い』です。胃薬だけでもさまざまな有効成分があり、症状に合わせて選択しなければほとんど効果が得られません。そのため、どのような原因で胃痛が起こっているのかによって選ぶ薬が変わってきます。

例えば、胃の粘膜が荒れていて痛みが出ているのにもかかわらず、消炎鎮痛作用のある薬を飲んでも根本的な解決にはなりません。反対に、生理痛であれば消炎鎮痛作用のある薬は効果があるため、どのような原因で痛みが出ているのかで判断していただくと良いですね」

Q.市販薬を服用する際の注意点はありますか。

真部さん「よく言われることですが、まずは『用法用量を守る』ことです。すぐに痛みが引かないからといって指定された量以上の薬を服用したり、飲み忘れを理由に一度に2回分の薬を服用したりするのは危険なので、絶対にやめましょう。

もう1つ注意したい点は『飲み合わせ』です。薬の成分の中には、同時に服用すると効果が薄れてしまったり、反対に予想以上に効果が現れ、副作用が出やすくなったりするものもあります。

市販薬の説明書には必ず飲み合わせに関する注意事項が記載されているため、複数の薬を服用している人はよく確認しておくと安心です。また処方薬がある人はぜひ薬剤師にご相談ください」

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 市販薬はドラッグストアで手軽に購入できますが、どの成分が自分にとって有効なのかを購入時に確認しなければ、薬の効果を最大限に得ることはできません。どの薬を購入したらよいか迷ったときは、店の薬剤師に尋ねてみると最適な薬を教えてくれるはずですよ。

(オトナンサー編集部)

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真部眞澄(まなべ・ますみ)

薬剤師

東京薬科大学を卒業後、日商岩井(現・双日)に勤務。結婚、出産後、調剤薬局に23年間勤務をしながら「お薬だけに依存させない薬剤師」として活動中。現在お薬を飲み始めた40代・50代の女性に、薬だけに頼らない改善策をアドバイスしている。薬を勧めるはずの薬剤師が薬だけに依存させないことを目指すのは、多くの患者の10年後、20年後の薬の量が2倍、3倍になるのを見てきたから。初期に「より踏み込んで改善策を伝えていたら減薬や維持ができたのでは」と後悔し、これを目指すきっかけとなった。公式ホームページ(https://m-inflore.com/)。

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