眠くなる、発疹…薬の服用時に「副作用」、なぜ? 原因を薬剤師に聞く
薬の服用時に副作用が生じることがあります。この原因について、薬剤師に聞きました。
薬を服用したときに眠くなってしまったり、発疹が出てしまったりした経験はありませんか。薬の服用時に、体にとって望ましくない症状が出ることは「副作用」といわれていますが、なぜ生じるのでしょうか。薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
「体質」「過敏症」などが原因
Q.薬の服用時に副作用が起きる原因について、教えてください。
真部さん「薬の服用時に起こりやすい副作用は薬によって異なりますが、要因としては主に6つに分けることができます。
まず『患者の体質によって起きる』、次に『薬に対する過敏症の影響』です。これはいわゆる『薬が合っていない』という状態のため、他の薬に変更するなどの対応が必要になります。
『薬の用法を間違えた場合』や『一度に複数の薬を服用した場合』でも副作用が起こります。飲み始めは問題がなかったとしても、何カ月、何年と長期的に服用することや、加齢などの体の変化によって徐々に副作用が見られるパターンもあります。
そのため、薬を服用したときにこれまでとは違う変化があれば、副作用を疑ってみるとよいかもしれません」
Q.薬の服用時に異変が生じた場合、どうすればよいのでしょうか。
真部さん「薬の服用後、体に何らかの変化が生じたり、異変を感じたりした場合は、すぐにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
その際に、どの薬をいつ、どの程度、どのくらいの期間服用し、どのような症状が出たのかを正確に伝えられるように準備をすると、副作用の原因究明がしやすくなります。
飲み合わせの問題や服用方法が間違っている場合は、患者から報告がなければ判断ができないため、おかしいと思ったときにメモをすると安心です」
Q.薬の副作用に関する救済制度はあるのでしょうか。
真部さん「アナフィラキシーなど入院治療が必要となるような重篤な副作用が生じた場合、『医薬品副作用被害救済制度』という制度を用いて医療費などの給付を受けられる場合があります。
ただし、この給付は医薬品が適正に使用されたにもかかわらず発生した副作用でなければ、適用されません。そのため、例えば、使用目的や使用方法が誤っていたことが原因の場合のほか、サプリメントとの飲み合わせの影響が原因の場合などは、給付の対象外となります。
また、一部の抗がん剤などはこうした給付が適用されないケースがありますが、この場合、治療の開始前に医師からきちんと説明されるのが一般的です」
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どんな薬であっても、必ず効果(ベネフィット)と副作用(リスク)があります。もちろん医師や薬剤師の説明を受けて正しく服用することは重要ですが、体質の影響などで服用してみないと分からないケースも少なくありません。
服用後、違和感や何らかの症状が生じたら、まずはかかりつけの医療機関に相談してみましょう。
(オトナンサー編集部)
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