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だるい、食欲が出ない…“秋バテ”、どうやって解消する? 放置するとどんなリスク? 医師が解説

秋バテを放置するリスクは?

Q.秋バテを放置した場合、どのようなリスクが生じる可能性がありますか。

安藤さん「特に高齢の人が該当しますが、今年の猛暑により、食欲低下や目まい、だるさの持続、睡眠の質の低下などの症状を認めるケースが多くなっています。こうした漠然とした不調を抱えたまま放置すると、免疫力が低下し、感染症やがんにかかるリスクが高くなります。

また、自律神経の乱れ、特に交感神経が刺激され続けると、『NK細胞(ナチュラルキラー細胞)』と呼ばれる免疫細胞の働きが低下し、感染症やがんにかかりやすくなります。『風邪をひいたが、いつもより治りが悪い』『微熱などの漠然とした症状が2週間以上続いている』『夏の体重減少が回復しない』といった症状を認める場合は、受診をお勧めします。

憂鬱(ゆううつ)な気分になることは、誰でもあると思います。その際は、適度な運動や趣味、友人との会話などで気分をリフレッシュするよう心掛けてください。ストレスを発散しても憂鬱感や不安感が2週間以上続く場合は、うつ病や不安障害の可能性があります。

これは、単に気持ちの問題ではなく、脳のエネルギーであるセロトニンが減少することによって起きる病気です。『気合が足りないからだ』『もっと頑張らなきゃダメだ』などと自己判断せず、精神科などを受診してみてください。

そのほかに持続する症状の中にも、さまざまな病気が隠れている場合があります。『たかが秋バテ』などと侮ってはいけません。自己判断せず、不調や不安を感じたときは、ぜひ医師に相談してみてください」

(オトナンサー編集部)

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安藤大樹(あんどう・だいき)

医師

2004年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業。同年藤田保健衛生大学病院(現・藤田医科大学病院)初期研修、2006年に一般内科入局。2007年より医局長、2011年、総合診療内科/救急総合内科医局長を務める。2015年、岐阜市民病院総合診療・リウマチ膠原(こうげん)病センターに医員として着任。同年、同大学救急総合内科客員講師。2017年より、あんどう内科クリニック院長として治療に当たる。2018年、岐阜市民病院研修管理委員会外部委員、2020年、岐阜大学医学部総合病態内科学客員講師。あんどう内科クリニック(http://andoc-clinic.com/)。

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