レス、心のすれ違い…“破綻寸前”夫婦が幸せになった「荒療治」
お互いへの遠慮が「離婚」という言葉を生むはめに
陽子さん(42歳、仮名)の夫、浩之さん(42歳、同)は服のセンスがよく、人当たりもいい、いわゆる“モテ男”。陽子さんは整った顔立ち、地味でおとなしめのタイプです。付き合ったのは夫が2人目です。二人は中学時代からの同級生で、社会人になってから同窓会で再会し、結婚しました。
浩之さんは自由人。結婚後も無断で帰りが遅くなったり、休日に1人で出かけたりすることに対して、陽子さんは何も言いませんでした。「すてきな人だからモテてもしょうがない。同僚との飲みもあるだろうし」と、理由すら尋ねません。浩之さんのことが大好きで、「結婚できただけで充分」と思っていたそうです。
陽子さんが婦人科系の病気で妊娠・出産できないことに対して、浩之さんが全く問題にせず、結婚しようと言ってくれたことにも感謝していました。私から見ると、陽子さんは自己肯定感が低めの人でした。
しかし、結婚2年目に浩之さんから「僕に興味がないんだろう。毎日、お互いに空気みたいでつまらない。別々に暮らすか」と切り出されます。
「夫は、子どもができない私に愛想を尽かしたのだ」と考えた陽子さん。反論せず、「分かりました」と受け入れました。
すると突然、浩之さんが涙ぐみます。陽子さんがどうしたらいいのか分からず、ショックを受けていると、「やっぱり陽子は、俺といてずっと幸せじゃなかったんだね。結婚相手を間違ったと思ってたんだろ」と言うのです。驚いた陽子さんは「そんなわけない」と返しましたが、浩之さんはこう言いました。
「じゃあ、なぜそんなに簡単に受け入れるんだ。僕が1人で出かけたり、連絡せずに遅くなったりしても何も言わないし、僕に関心がないんじゃないか。どうでもいいと思っているんじゃないか」
結局、二人ともお互いに気を使い過ぎて、干渉することができず、それが疑念を生み、状況を悪化させていたのでした。
夫は「夫婦円満の秘訣(ひけつ)は、1人の時間を大事にする。過干渉にならない」とウェブで読んだことを守っていた、という話も聞きました。それはいいのですが、ご自分たち夫婦に当てはまっていたのか、勘違いの非干渉スタイルではなかったのかと指摘しました。
陽子さんは、「私のことが重荷になっているんじゃないかってずっと思っていたんです。本当は他に好きな人がいて、子どもも欲しいと思っているのに、私がいるから我慢しているのかな…って。でも、一緒にいたいから何も言えなかった。本当にバカでした。毎日一緒にいるのに、怖くて聞くこともできず、おびえていました。これからは遠慮せずに言いたいことを言い合おうって約束しました」と明るく話してくれました。こちらの“雨”は“ほったらかし非干渉”だったといえます。
2組のご夫婦とも、お互いへの遠慮や配慮があり過ぎて、すれ違いを生んでしまっていました。勇気を出して本音を伝え合うことで、新しい夫婦のカタチが生まれることもあります。
長い夫婦生活には、経年劣化しないよう、“荒療治”が必要なときがあります。恐れずやってみて、間違ったらやり直し、上書き更新していくのが理想ですね。時には“雨”も刺激として有効に使いましょう。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

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