今さら聞けない「オンライン診療」 受診、処方箋の方法は? 薬剤師に聞いた
利便性が問われる昨今、診察や薬の受け渡しも「オンライン診療」が便利だと聞きます。しかしオンライン診療がどのようなものなのか、まだまだ分からないこともあります。薬剤師さんにオンライン診療について聞いてみました。

コロナ禍で急激に発展した「オンライン診療」。医師との診察や処方薬の受け渡しも、オンライン診療の方が便利だという声も多く聞くようになりました。しかしオンライン診療がどのようなものなのか、またオンライン診療を受けたことがないという人も少なくないと思います。そこで、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
メリットは引っ越先でも同じ医師の診察を受けられる デメリットは…
そもそも「オンライン診療」はどのように受診するのでしょうか。
真部さん「オンライン診療はお手持ちのスマートフォンやタブレットなどのアプリを通じて、医療機関の予約を行い、予約の時刻に医師とのビデオ通話が開始され診察を受けるサービスです。
予約時間までに問診票や保険証の登録など、医療情報の入力を事前に行い、その情報の元、医師と診察でやり取りを行います。
ただし、すべての疾患でオンライン診療が可能というわけではありません。症状や病状によっては対面での診察が望ましいケースも多々あるので、状況によって使い分けることをお勧めします」
「オンライン診療」の処方箋の受け取りはどのようにするのでしょうか。
真部さん「オンライン診療で処方箋が出る場合、医師から自宅に処方箋を郵送してもらう方法と、患者の指定する薬局へファクスで処方箋を知らせる方法の2通りがあります。
医師から自宅へ処方箋を郵送してもらう場合、その届いた処方箋を持ち自身で薬局へ出向き、薬を受け取る流れになります。その際に服薬指導を受けます。
一方、薬局へファクスで処方箋を知らせる方法で受け取る場合は、自身でファクス送信先の薬局へ出向き服薬指導を受けてから薬を受け取る流れと、オンラインで「服薬指導」を受けてから自宅へ薬を郵送してもらう流れがあります。
薬局へファクスで処方箋を知らせ、自身が薬局で薬を受け取る場合は、送料もかからずより早く薬を受け取れます。一方、自宅へ薬を郵送してもらう場合は、事前にクレジットカード決済を行い、オンラインの服薬指導を受けて薬が受け取りができるため、外出することなく薬の受け取りが完結出来るという点が大きな特徴です」
改めて、「オンライン診療」のメリットとデメリットを教えてください。
真部さん「まずメリットは、引っ越しや転勤などで居住地が変わった場合でも、場所を気にすることなく診察や薬の受け取りが可能という点と言えるでしょう。
かかりつけ医を変えたくない人や、医師が不足している地方などでも安心して利用できることも、今後の医療業界の要ともなりそうです。
一方、デメリットとしては、医師への情報提供や、やり取りの内容が限られてしまうため、どうしても対面診察ほど精細に診察を受けられるとは限らないという点になります。
また、高齢者など、スマートフォンやタブレットの取り扱いが不慣れな人にとっては、診察から処方箋の受け取りまでの一連の操作が簡易的に行えず、不安や不満に感じることもあると思います。
薬局側としては、通信環境や配送業務、オンラインでの服薬指導など、オンラインでの業務の対応が別途求められるため、新たな整備や体制作りなどが課題になるでしょう」
まとめ
最近では、新型コロナウイルス感染者が再び増加していたり、7月にインフルエンザが流行しているといったニュースもあります。真部さんが語るデメリットも踏まえつつ、体調不良で通院できない、通院時・病院内での二次感染の防止といった観点でオンライン診療の利用を検討してみるのはいかがでしょうか。
オンライン診療に対応していない薬や医療機関もあるため、一度かかりつけの病院などに問い合わせするのも、お勧めします。
(オトナンサー編集部)
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