ぐずる、騒ぐ、席を蹴る…子どもと「新幹線」に乗る際、親が気を付けるべきこと
旅行や帰省などで子どもと新幹線を利用する際、保護者に求められる振る舞いとはどのようなものでしょうか。子どもも周囲の乗客も気持ち良く過ごすために、親が意識すべきこととは。
夏は家族で出かけることが増える時期。子ども連れの旅行や帰省の移動手段として「新幹線」を使う人も多いと思います。しかし、利用客が大勢いる上に長時間乗車する新幹線では、ぐずったり騒いだりする子どもも多く、親にとっては悩みのタネです。ネット上でも「後ろの席の子どもに、いすを蹴(け)られたことがある」「子どもが泣くのは仕方ないけどそれを放置している親は腹が立ちます」「子どもが騒ぎ出したら、せめてデッキに行くべきだ」など、さまざまな声が上がっています。
子ども連れで新幹線に乗る際、意識すべき振る舞いとはどのようなものでしょうか。著書に「1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ」(日本実業出版社)などがある、子育て本著者・講演家の立石美津子さんに聞きました。
「遠足前の先生」をイメージする
Q.車内で気を付けるべきマナーとは、どのようなものでしょうか。
立石さん「新幹線は在来線とは異なり、長時間乗車します。子どもにとっては、1~2時間以上いすに座っておとなしく過ごすのは退屈であり、じっとしていることに飽きてしまう子もいるでしょう。通路をウロウロしたり、いすの上に立って遊んだりして、他の乗客の迷惑にならないように注視する必要があります。
席に座っている状態でも、足をブラブラさせたり、前の座席についているテーブルをパタンパタンと出したりしまったりすると、振動が前の人の座席に伝わって不愉快な思いをさせてしまうのでNGです」
Q.子どもには、そうしたマナーをどのように教えたらよいのでしょうか。
立石さん「車内で守るべきルールやマナーについて伝える際は、『今日は新幹線に乗っておばあちゃんの家に行きます。電車の中では静かにしましょう』と丁寧語を使い、かつ威厳をもって教えましょう。
子どもは、いつもと違う雰囲気で話される内容に注目します。参考にするイメージは、“遠足に出発する前の先生”です。また、外出前と乗車前に『いすに座っている子どもの絵』などを見せながら“お約束”するのも有効です。
せっかくの旅行時に怒ったり怒られたりしてしまうと、親も子どもも気分が落ち込んでしまうもの。ルールを守れるように、親が上手に導いてあげることを意識しましょう」
Q.子どもが騒いだ時、親がやってはいけないNG行為はありますか。
立石さん「車内で子どもが騒いでしまった場合、『電車の中だから大声を出してはいけないよ』『静かに座っていてね』と制すのは基本ですが、『隣のおじさんに怒られるから静かにしなさい』『ほら、怒られちゃうよ』『みんな見ているでしょ』などのしかり方はNGです。
公共交通機関で静かにしなければならないのは、利用者がお互いに思いやりを持ち、皆が快適に過ごすためです。親は『なぜ電車内では静かにしていなくてはならないのか』の正しい理由を子どもに教える必要があります。周りの利用客を悪者に仕立てるようなしかり方は、トラブルの原因にもなりうるため控えてください。
また、席で泣き叫ぶ子どもをしかるのは逆効果です。どうしても泣き止まない場合、子どもを連れてデッキに移動するなどいったんその場を離れましょう。子どもも気分転換できます。泣き叫ぶ子どもを席に放置し、知らん顔をするのは論外です」
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