片思いは「妄想の恋愛」? “年単位”の片思いが実らなかった男女の「共通点」
自分から振った彼女が忘れられない
山田みつゆきさん(34歳、仮名)は、婚活を始めて半年になります。背も高く、経歴もよく、年収も平均以上、お見合いを申し込むとかなりの確率で受諾となります。しかしお見合いをしても、しても、うまくいきません。こうして半年が過ぎてしまいました。
あるとき、「ちょっとご相談したいことがあります」と面談の申し込みがありました。面談ルームにやってきたみつゆきさんが言いました。
「実は、相談所に入る前に婚活アプリを使っていたんですが、そのとき、2カ月くらいお付き合いしていた女性がいました。ただ、僕の他にも男性と会っている気配がしたので、それを問い詰めたんです」
そのとき、彼女は言ったそうです。
「私は、真剣に結婚できる相手を探しているのだから、今、多くの男性と出会って、自分に合う人を決めたいの」
そう言われてみつゆきさんは、3股、4股をかけられているような気持ちになり、彼女に「僕を選べないなら、もう会うことはやめよう」と、自分から別れを宣告してしまったのです。
ところが、別れてからも彼女のことが忘れられません。思い切って1週間後にLINEを入れてみたところ、それは既読になりませんでした。
「おそらくブロックされたのだと思いました」
その後、婚活アプリのサイト内にいた彼女に「いいね」を送ってみたものの、「いいね」返しはなく、チャットもつながりませんでした。
アプリを使っていると彼女を忘れられない――。そこで、結婚相談所への入会を決めたのです。
思い詰めた表情で、みつゆきさんは私に言いました。
「だけど、お見合いをしても、しても、アプリの彼女と比べてしまう自分がいるんです。いいなと思って交際を始めても、やっぱりアプリの彼女の方がよかったなと思って、その交際を自分から放置してしまうんですよ」
さらに、最近、婚活アプリから彼女がいなくなっていました。いい出会いがあって、アプリを退会したのかもしれません。
「そうでなければ僕のことをブロックして、僕には見えなくしたのかな」
肩を落としているみつゆきさんに、私は言いました。
「女性は、恋愛が終わった人のところには、もう戻らない傾向にあります。なぜかといえば、女性は“上書き”をする恋愛脳だからです。恋が終わり、新しい恋が始まると、それが上書きされて、前の恋愛はきれいに消えているんです。ところが、男性は一つ一つの恋愛に名前をつけて、それを“ファイル保存”していく恋愛脳。だから、終わった恋愛が忘れられないんですね」
いずれにせよ、もう彼女とは連絡がつかない状態なのです。そこにとらわれていたら、新しい恋愛にも踏み出せないですし、結婚もできません。
「恋は盲目」という言葉があります。片思いにせよ、付き合った彼女を忘れられないにせよ、相手が不在の恋は、自分一人でつくり上げている妄想の恋愛なのです。相手のことも都合よく偶像化しています。
結婚をしたいなら、リアルに出会い、お互いの気持ちを確かめ合って、関係を築いていってほしいなと思います。
(仲人・ライター 鎌田れい)
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