「好きな人ができた」夫と「モラハラ」夫…2人の女性が“リコカツ”を経てたどり着いた“真逆”の結末
ドラマ化でも注目を集めた「リコカツ(離婚活動)」。離婚を決意し、実際に離婚に至るまでには、それぞれにさまざまなドラマがあります。2人の女性の実例を紹介します。

婚活ならぬ“リコカツ”。「離婚活動」を意味するこのワードは、俳優の北川景子さん主演でドラマ化されたこともあり、にわかに注目が集まりました。
実際、「離婚したい」と決めてもすぐに円満離婚できるものではありません。離婚後の生活、教育資金のことを考えてやむなく諦める人も、子どもに反対されて迷っている最中の人もいます。私の知人は、40代で離婚を決めて65歳で離婚を決行するまで20年近くお金をため、慰謝料や財産分与の勉強をするなど、夫にひた隠しにしながら準備をしていました。
では、離婚に至るまでにはどんなドラマがあるのか、実例とともに見ていきましょう。
夫が出て行ってくれたから幸せな未来が開けた
厚生労働省が公表した、2008年の「離婚に関する統計」を見ると、別居から離婚するまでの平均期間は「1年未満」が最も多く、その割合は82.5%です。この場合、別居する時点である程度、離婚に向けての準備が夫婦ともにできているケースと考えられます。“離婚に向かってまっしぐら”の別居です。
しかし別居は、お互いの合意がなくても相手が出て行ってしまえば、その時点からスタートします。突然、出て行かれた側に離婚の意思や、準備をする暇はありません。相談に来られた典子さん(45歳、仮名)もそのパターンでした。
典子さんは当時、6歳と10歳の娘さんと2歳年下の夫、昌宗さん(仮名)と幸せに暮らしていました…と、ご本人は思っていました。
しかしある日突然、夫は家を出てしまいます。「すごく好きな人ができたから、もう妻と娘たちとは暮らせない」というのです。
まさに青天のへきれき。典子さんは必死で夫を取り戻そうと試みます。出会った頃のことを思い出させようとしたり、「かわいい娘たちと離れて本当にいいのか」と脅したり、昌宗さんの両親に訴えたりしましたが、彼の気持ちが揺らぐことはありませんでした。典子さんの悪い点は何だったのか、聞いても答えてくれません。
探偵事務所を使って調べたところ、昌宗さんのお相手は何と、彼が大ファンの某漫画家の娘さんだったのです。ぼうぜんとなった典子さんは、夫を取り戻すことを諦めました。
離婚を決断した典子さんは交渉材料を着々とそろえ、夫婦二人の名義で購入していたマンションの売却を進め、弁護士に相談し、ベストな条件の契約書を用意。好きになった彼女に夢中になっていた昌宗さんは、離婚してくれるならと全てを受け入れました。昌宗さんの年収がよかったことも幸いでした。
現在、典子さんは2人の娘さんと生活しています。慰謝料や養育費ももらっていて心に余裕ができたからか、子どもたちに怒ることもほとんどなくなったといいます。
「あのとき、夫に強引にすがらなくて本当によかった。2人の娘と私が幸せに暮らすためにはどうしたらいいかと、自分の知識や人脈を総動員してネクストステージの準備を周到にできたから、今の幸せな暮らしがあると思っています。今は、心穏やかでストレスがないからか仕事面も好調で、結婚していたときよりも収入は上がっています。『夫よ、出て行ってくれてありがとう』と言いたいです」
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