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台風接近! いつ避難? 備蓄は何日分? 2000人に聞く 専門家のアドバイスも

「自宅が浸水域なのに在宅避難」は危険!

避難に関するアンケート結果(※円グラフは、島崎敢准教授のクロス集計を基にオトナンサー編集部で作成)
避難に関するアンケート結果(※円グラフは、島崎敢准教授のクロス集計を基にオトナンサー編集部で作成)

 アンケートでは避難についても聞きました。「台風や大雨が予想されるとき、自宅以外の場所に避難しますか」と聞くと、「はい」7.2%、「いいえ(在宅避難する)」79.3%、「分からない」13.6%。「はい」の人の避難予定場所は「自宅近くの避難所」が89.5%と圧倒的多数で、「その他」(ホテル、親族宅など)10.5%でした。

 続いて、「自宅近くの避難所」と回答した人に「その避難所が水害に対応しているかどうか知っていますか」と聞くと、「はい。水害に対応している避難所である」は64.1%、「はい。水害に対応している避難所ではない」が8.6%、「いいえ。水害に対応しているかどうか分からない」が27.3%となりました。

 さらに、避難を想定している人に、「いつ避難しますか」と聞くと、「前の日の明るいうち」が21.7%、「『避難指示』が発令されたら」22.4%などとなりました(※棒グラフ参照)。

島崎さん「前半の結果とクロス集計(※円グラフ参照)してみると、浸水域や土砂災害警戒区域に自宅があるのに、『在宅避難』と答えている人が半分を大きく超えています。一定レベルを超える災害だと、命に関わります。

『うちは浸水域だけど高層マンションだから大丈夫。備蓄もしている』と在宅避難を考えている人がいるかもしれませんが、1階が水没すると、上下水道、ガス、電気は高確率で止まります。その状態での籠城を想像できているでしょうか。水や食料があっても、極寒や猛暑かもしれません。やはり事前に浸水域の外に出た方が安心です。

避難場所として『自宅近くの避難所』を挙げた人が多いですが、避難所より快適な場所があれば、そこに避難してほしいです。避難所以外を考えたことがない人は、この機会に考えてみてはいかがでしょう。

避難所が水害対応かどうかについては、『知っている』人が思ったより多い印象ですが、まだ3分の2なので、3分の1の人は、いざというときに慌てないよう、ぜひチェックしてほしいです。

避難のタイミングについては、早め派とギリギリ派に二分された感じですね。選択肢の中で『前の日の明るいうち』以外は全部、土砂降りの中の避難になる可能性が高いことも考えてほしいです。『ぬれそうだし、避難したくないなあ』という気持ちに結びつき、判断を鈍らせる原因にもなります。

『緊急安全確保』発令時は、避難するには遅過ぎる場合があるので、それをタイミングにするのはお勧めしませんし、万一そうなったら臨機応変な判断をしてほしいです。後になればなるほど、高度な判断と高い身体能力を求められます」

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島崎敢(しまざき・かん)

近畿大学生物理工学部准教授

1976年、東京都練馬区生まれ。静岡県立大学卒業後、大型トラックのドライバーなどで学費をため、早稲田大学大学院に進学し学位を取得。同大助手、助教、国立研究開発法人防災科学技術研究所特別研究員、名古屋大学未来社会創造機構特任准教授を経て、2022年4月から、近畿大学生物理工学部人間環境デザイン学科で准教授を務める。日本交通心理学会が認定する主幹総合交通心理士の他、全ての一種免許と大型二種免許、クレーンや重機など多くの資格を持つ。心理学による事故防止や災害リスク軽減を目指す研究者で、3人の娘の父親。趣味は料理と娘のヘアアレンジ。著書に「心配学〜本当の確率となぜずれる〜」(光文社)などがあり、「アベマプライム」「首都圏情報ネタドリ!」「TVタックル」などメディア出演も多数。博士(人間科学)。

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