オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「10年以上痛みがある」女性も…帝王切開の傷痕がずっと痛んでいたら、もしかして「癒着」かも? 産婦人科医に聞いた

まだ痛みが…再び帝王切開したらどうなる?

Q.帝王切開後に痛みが残っている女性が、再び帝王切開で出産する場合、痛みが消失したり、反対に悪化したりすることはあるのでしょうか。

尾西さん「一度、帝王切開をしている女性が再び出産する場合、再度帝王切開になるケースがほとんどですが、その際に癒着があると腸管を傷つけてしまうリスクがあり、手術する側もその点にかなり注意して行っていきます。手術の際、癒着がある場合は剥がして手術をするため、術後はいったん軽快することも多いですが、再び癒着ができてしまう場合も少なくありません。

また、皮膚の傷痕(肥厚性瘢痕)が残っている場合は、その部分を取り除いて縫い合わせるので、こちらもいったんはきれいな状態に戻ります。ただ、傷痕ができやすい体質の人は再度できてしまう可能性が高いので、術後の内服やテーピングなど、再度傷痕ができないようにケアをすることが大切です」

Q.治療で痛みを取り除くことはできるのですか。手術などは必要でしょうか。

尾西さん「治療は、皮膚の傷が痛む場合と、おなかの中の癒着で痛む場合とで異なりますが、皮膚の瘢痕の場合は傷による炎症を抑えるための内服薬、塗り薬、貼り薬の処方や、注射やレーザー、取り除く手術などが行われます。こちらは、専門となる形成外科での治療になります。

おなかの中の場合は、癒着の場所や症状によっても異なりますが、腸閉塞を起こしている場合や、それが原因で不妊になっているケースなどは再度手術を行うこともあります。こちらは消化器外科で治療する場合や、婦人科で治療する場合などさまざまです」

Q.帝王切開を経験した女性の中には、「何となく痛みが残っているのが気になる」「たまに痛むけど、どうするのがいいのか分からなかった」といった女性も少なくないようです。

尾西さん「ここまで読んで不安になった人もいらっしゃるかもしれませんが、現在はこうした術後の癒着を防ぐため、手術中に癒着防止フィルムを貼るなど、なるべく術後の癒着を少なくする方法を取っていることも多いです。また、皮膚の傷に関しては術後の内服の他、テープを適切に貼ることで軽減できるため、貼り方などについてしっかり話を聞いておきましょう。

赤ちゃんのお世話で、なかなかご自身の体のケアまで手が回らないというのが本音だと思いますが、今後、長期的に不調を抱えないためにも、傷痕ケアをしっかり行っておきましょう。また、おなかの中の痛みについて気になるようであれば、まずは手術をした病院で相談してみましょう」

(オトナンサー編集部)

1 2 3

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

尾西芳子(おにし・よしこ) 関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ライフ 最新記事

ライフの記事もっと見る

コメント

CAPTCHA