帰宅を渋る38歳夫と、無視続けた末に泣き出す35歳妻…“夫婦の危機”招く「察して病」のリアル
「言葉」で伝えなければ、相手には絶対に伝わらない
亮介さんはそれを聞いて初めて、響子さんが大変な思いをしていることに気付いたようです。また以前、お皿を洗ったり洗濯物を干したりしたら、「油分が残っている」とか「シワは伸ばして干して」とやり直しをさせられ、子どもの世話をしたら余計に子どもがぐずって怒られ、「任せた方が合理的だ」と思ったそうで、その思いを妻に言わずに家事から手を引いたとのことです。さらに、遅い帰宅については一度だけ、「たまに遅く帰るのは職場飲みだから」と説明したから分かっていると思った、とも。
お二人とも、勝手に頭の中で相手の気持ちをつくり上げ、不快感を持ってしまっていました。しかしお二人には、夫婦仲を良好に続けていきたいという意思があります。
そこで私は、「自分の気持ちを伝える練習をして」と言いました。感情的になっているときは、直接伝えると口論になりがちです。そんなときにはメモやLINEで伝えるようにするのです。別の相談者さんからも、「リビングにホワイトボードを置いたら、画期的に二人の行動がよい方へ変わった」と報告を受けています。伝えることに慣れてくると、上手に気持ちを表現できるようになります。
人には、他者が何を考えているかを読み取るテレパシー能力はありません。自分の常識は、相手の非常識。分かってほしい気持ちは「言葉」で伝えなければ、相手には絶対に伝わりません。言葉より先に嫌そうな顔をするとか、「ドアを強く閉める」「マグカップをゴン!と強い音を立てて置く」「洗濯物を無造作に投げる」といった“怒っているようなアクション”をしてしまう場合は、自分でも注意です。また、相手がそうした表情や動作をするのを見たときも要注意。自分が伝え切れていないことに気付いてください。
いずれにせよ、結婚生活とはテレパシー能力のない二人が一緒に生活すること。「察してくれ」→「言わなきゃ分かんないよ」の構図は腹に据えて臨んでください。不機嫌な態度を取って「察してほしい」などというのは傲慢(ごうまん)でしかないのです。まずはリビングにホワイトボードを置いて、伝える練習を。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

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