「訴状が届いていないのでコメントできない」って、本当に届いていない? 広報のプロに聞く
「訴状が届いていない」を毎回報じるワケは?
Q.「訴状が届いていないのでコメントできない」は、ニュースや記事の中では、実質的な意味はない回答です。それでも、マスコミが必ず報じる意味は。
山口さん「マスコミは、提訴に対する被告側のコメントを最初から期待していません。なぜなら、たとえ訴状を読んだ後であっても、被告側がマスコミに話すことは限られているからです。『マスコミを通して反論すれば、裁判で不利になるかもしれない』と大部分の被告は考えていますし、弁護士もそのようにアドバイスします。
しかしながら、マスコミは両論併記を基本としているので、原告側のコメントだけを掲載することは避けたい。そこで『定番回答』であっても、被告側のコメントを載せたことで一件落着としたいのです」
Q.マスコミの側は訴状が届いた頃を見計らい、改めて被告側を取材することも可能だと思うのですが、そうした記事はほとんど見たことがないように思います。
山口さん「実際のところ、訴状が届いたころを見計らって改めて被告側に取材しても、『係争中なのでコメントできません』という回答が返ってくるだけでしょう」
(オトナンサー編集部)
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