知床観光船沈没1カ月へ…なぜ「出航」判断? 心理学で考える
悲劇を繰り返さないためには?
こういった、人間の誤った判断に対処するためには、決定権を人間に握らせないのが一番です。あらかじめ、客観的に観測可能で、安全寄りの基準値を定めておき、それを上回ったら有無を言わさず諦める、というルールを作っておくのが有効です。
人間は、ついその場の状況や立場などに流されて、てんびんの片側にあるリスクを軽めに見積もったり、時には見なかったことにしたりします。また、さまざまな事情から、てんびんの反対側にある利得を、実際よりも重く見積もってしまうこともあります。
ですから、こういったリスクテイクに関する決定は、その場所、その瞬間に居合わせた人の判断に委ねるべきではないのかもしれません。
同じような「判断の構造」は、世の中のあらゆるところに転がっています。この事故の教訓が生かされて、さまざまな場所で、同種の判断ミスの再発防止策が講じられることを願いつつ、行方不明となっている皆さんの一日も早い発見と、亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りしたいと思います。
(近畿大学生物理工学部准教授 島崎敢)



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