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長期のテレワークによる運動不足、効果的な解消法は? 食事の注意点とは

テレワークを長期間続けることで運動不足に陥った場合、食事で気を付けるべきことはあるのでしょうか。管理栄養士に聞きました。

テレワークで運動不足、どうする?
テレワークで運動不足、どうする?

 コロナ禍でテレワークを長期間続けている人の中には、運動不足を感じている人もいるのではないでしょうか。運動不足は筋力低下や肥満の恐れがありますが、仕事が忙しいと、運動する時間が確保できないのが現状です。そこで、まずは日々の食事を見直す必要がありますが、その際、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。肥満にならないための食事や、運動不足を効果的に解消する方法について、管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

秋が旬の食べ物、適度に摂取を

Q.昨年から、テレワークを続ける人の中には、在宅時間が増加して運動不足に陥った人もいると思います。運動不足の生活を続けると、体にどのような影響があるのでしょうか。

岸さん「運動量が低下すると筋肉量が減量し、体脂肪がたまりやすくなります。その結果、肥満になりやすくなり、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病になるリスクが高くなります。また、運動不足による筋力低下に加え、デスクワークの際に同じ姿勢を長時間続けると筋肉が緊張し、姿勢が悪くなります。すると、腰痛や肩こりの原因になります。

さらに、運動不足によりストレス解消ができない状態が続くと、不眠症などを招くほか、自律神経の乱れから、うつ病につながる可能性もあるので注意が必要です」

Q.運動不足の人が食事のときに気を付けるべきことについて、教えてください。

岸さん「運動不足であるかどうかにかかわらず、バランスのとれた食事で必要な栄養素を摂取することが大切です。不足しがちなビタミンやミネラルは野菜や海藻、キノコ、果物からしっかりと摂取しましょう。サツマイモやカボチャ、柿、カブなど、秋に旬を迎える食べ物はおいしいものが多く、1年の中で最も栄養価が高い特性があるため、食べ過ぎに注意しつつ摂取しましょう」

Q.コロナ禍で運動不足の人の中には「家にいる時間が長く、おなかがすかない」「以前に比べて太った」と感じて、食事を抜いたり、食事の量を極端に減らしたりする人もいるようです。その場合、体にどのような影響があるのでしょうか。

岸さん「食事を抜くことで1日の摂取カロリーを下げることはできますが、その分、必要な栄養素を満たすことが難しくなります。カロリーや必要な栄養素を満たすことができないと、足りない栄養素の分、体は代謝を落として生命活動を維持しようとするため、結果的に太りやすくなります。余分に食べている分を減らすことはもちろん大切ですが、必要な物を食べないことで調整するのではなく、運動と食事のバランスに留意しましょう」

Q.テレワーク中の人が運動不足を解消するには、どのような運動が最適なのでしょうか。運動時の注意点も含めて、教えてください。

岸さん「最も安全に、また、誰でも簡単にできる運動としてはウオーキングがおすすめです。運動で消費するカロリーは『METs(メッツ)』という指数を使って、『METs×運動時間(時間)×体重(キログラム)×1.05』の計算式で求めることができます。METsとは身体活動の強度指数のことで、一般的なウオーキングのMETsは3です。仮に体重が60キログラムの人だと、1時間のウオーキングで189キロカロリーを消費することができますが、これはだいたい、おにぎり1個分のカロリーに相当します。

また、厚生労働省の『健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)』では身体活動量増加のための手段として、『歩数の増加』を挙げており、『1日1万歩』を理想としています。この数値は運動の大まかな目安になります。しかし、目標は個人によって差があります。あくまで運動を継続することを目指し、減量目標や体力、疲労度に応じて、目標を設定しましょう。また、疾患がある人は事前に医師に相談してから運動を始めましょう」

Q.外出する時間がない日や天気が悪い日にもできる室内運動について、教えてください。

岸さん「外出する時間がない日や天気が悪い日は、踏み台昇降をおすすめします。踏み台昇降はウオーキングと違って、垂直運動であり、重力に逆らった動きになるので、負荷がかかりやすい特徴があります。踏み台の高さやペースを変えることで、自分に合った負荷のかけ方を実践することができます。自宅に踏み台がない場合は、室内の階段や本、段ボールなどを利用することで気軽にできます。

また、全身運動としてはラジオ体操もおすすめです。ほとんどの人が子どもの頃から知っている運動で、新しいことを覚える必要もなく、テレビやYouTubeなどで正しいやり方を確認しながら行うことができます。普段動かすことのない関節や筋肉をしっかり動かすことができて、運動不足解消にもぴったりです」

(オトナンサー編集部)

岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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