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商談中は困る…テレワーク中の「ネット回線」不調、どう対処したらいい?

在宅勤務中にネット回線が不調になることがあります。考えられる原因と対策とは。

在宅勤務中にネットが不調、どうする?
在宅勤務中にネットが不調、どうする?

 新型コロナウイルスの再拡大で、テレワークを継続している人も多いと思います。テレワークで自宅のインターネット回線を利用する場合、接続が頻繁に途切れたり、ページを開くのに時間がかかったりということもあるようです。テレビ会議やオンライン商談中にネット回線が不調になると、仕事に支障をきたします。テレワーク時にネット回線の調子が悪い場合、どのように対処すればいいのでしょうか。ITジャーナリストの久原健司さんに聞きました。

機器が古い場合は交換を

Q.そもそも、ネット回線が不調になる原因は。

久原さん「新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を行う人が増え、多くの人がインターネットを利用して回線が混雑したことが原因と思われます。時間帯に関係なく途切れる場合は機器の不調も考えられますが、無線で接続している場合は障害物の関係でうまく受信できていない場合があります。その際は、Wi-Fiルーターの近くに移動して接続を試すのもよいかもしれません」

Q.LANケーブルを使ってネットに接続するのと無線でネットに接続するのでは、どちらの方が通信が安定するのでしょうか。また、据え置き型のWi-FiルーターとモバイルWi-Fiルーターではどうでしょうか。

久原さん「基本的には、LANケーブルを使ってネットに接続する方が無線でネットに接続するより、スピードが出て安定する確率が高いです。ただ、LANケーブルの種類によっては最大通信速度が出ない場合もありますので、製品を選ぶ際は気をつけてください。

例えば、フラットタイプのケーブルはノイズに弱いため、ルーターから離れた場所でパソコンを接続するのには適しておらず、また、極細タイプのケーブルは通信の安定性が下がるため、なるべく、スタンダードタイプのケーブルを選択することをおすすめします。

なお、ケースによって異なりますが、モバイルWi-Fiルーターよりも据え置き型のWi-Fiルーターの方が最大速度が速いため、若干回線が混雑したとしても、比較的安定して速いスピードが出ると考えます」

Q.テレワーク中にネット回線が不調となった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。

久原さん「即座に復旧したいときは、別のネットワーク経由でインターネットに接続してみることをおすすめします。光回線で接続していた場合は、携帯のテザリングを試してみましょう。それによって、パソコン本体に問題があるか、ネットワークに問題があるかを見極めるのが重要です」

Q.パソコン自体に問題がある場合、どのようなケースが考えられるのでしょうか。

久原さん「パソコン本体のスペックが低い場合やOS(オペレーティングシステム)が古い場合は、ネットが遅くなることがあります。買い替えが必要な場合もありますが、まずは不要なソフトが動いていないか確認してください。例えば、オンライン会議を行う際はなるべく、他のソフトを使わない方がよいですし、ブラウザーに多くのタブが表示されている状態だとメモリーを消費してしまい、遅くなる可能性があります。

また、パソコン内部のハードディスクにデータがたくさんあると、読み書きでのスピードが遅くなる傾向があります。あまり使わないデータは消去するか、USBなどの外部メモリーに移してみましょう」

Q.パソコンではなくネットワークが原因で不調となっている場合、考えられるケースは。

久原さん「回線速度が遅くなったり、不調を感じたりする主な原因は次の4つです。

(1)契約している光回線に対して利用者やデータ通信量が多過ぎる
(2)集合住宅への配線方式が電話回線を利用したVDSL配線方式になっている
(3)通信業者側、もしくはプロバイダー側の設備や設定に問題がある
(4)ルーターやONU(ルーターとコンセントの間につなぐ機材)が古い、もしくは故障している、または障害物が多い

特定の時間に回線速度が遅い原因として、まず、利用者やデータ通信量が多いことが考えられます。例えば、多くの利用者が昼休みや夕方、雨の日にインターネットに接続して、動画を見ている可能性があります。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、1本の光回線で最大32まで分岐可能です。

つまり、最大通信速度1Gbps(ギガビット毎秒)の光回線のサービスを契約していても、32戸で共有して使用することになり、最大通信速度で使用することはできません。ちなみに、パソコン、タブレットなど、さまざまな電子機器を同時にネットに接続した場合も回線速度が遅くなる傾向にあります。

また、多くの場合、集合住宅への配線方式が電話回線を利用したVDSL配線方式になっているのが現状です。VDSL配線方式は既存の電話回線を利用するため、工事費用が安くなるメリットがありますが、最大通信速度100Mbps(メガビット毎秒)しか出ません。その上、周辺にある電磁波の影響を受けやすく、電子レンジなど電磁波を多く出す機器を利用している場合は通信が不安定になります。

年間を通じて回線速度が不安定だったり、スピードが出なかったりする場合、『NTTの設備に異常がある』『プロバイダーの通信設備が弱い』『契約ユーザー数が増えた』『IPv6通信方式に未対応でIPv4通信方式になっている』ことが考えられます。

『IPv6』『IPv4』はインターネット上の“住所”ともいえるIPアドレスを割り振る規格のことで、新規格のIPv6対応の方が旧来型のIPv4より混雑が起きにくく、通信速度が安定しやすいです。

ルーターやONUが古かったり、故障していたりする場合もあるため、その場合は交換しましょう。また、無線でネットワークに接続している場合は、ルーターから離れた場所では障害物が多く、電波が弱くなっている場合があります。その場合は、遠くの部屋でも電波が強く受信できるよう中継器を設置してください。しかし、一般の人が対処するには限界があります。まずは契約しているプロバイダーの問い合わせ窓口に電話し、対応方法を検討するのがよいと思います」

Q.テレビ会議システムを使っているときに、映像が乱れたり音声が聞こえなくなったりする原因は。

久原さん「ネット回線の不具合が影響している確率が高いと思います」

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久原健司(くはら・けんじ)

株式会社プロイノベーション代表取締役、ITジャーナリスト

1978年生まれ。2001年に東海大学工学部通信工学科を卒業後、ITの人材派遣会社に入社。大手コンビニエンスストアのPOSシステム保守運用業務を担当する。2003年からソフトウエア開発会社で、システムエンジニアとして、大手通信会社のWebアプリケーションシステム開発など多くの業務に携わるも、2006年、小さな頃からの夢であった独立を決意。2007年(29歳)に株式会社プロイノベーション(http://proinnv.com/)を設立し、当時としては珍しいオブジェクト指向によるモデリング開発でのサービス提供を始める。2018年「振り向くホームページ」サービスを開始(http://furimuku.com/)。プロのフリーランスを集めて企業の成長をサポートすることで、フリーランスとしての働き方を応援する傍ら、日本一背の高いITジャーナリストとして、さまざまなウェブメディアでも活躍中。

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