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2歳の「定型発達児」ができること、「自閉症児」ができないこと

“比べる病”を乗り越える

 幼い頃の息子は「逆さバイバイ」すらしませんでした。自閉症であっても、逆さバイバイをする子は人に関心があるので、間違った手の向きではあるものの「バイバイ」のまねができるのだと思います。20歳になった息子は「行ってらっしゃい」と言って出掛けていきます。本人は「行ってきます」の意味で「行ってらっしゃい」と私に言っているのです。言葉は間違ってはいますが、人のまねをしている点では成長しています。

 さらに、トイレットペーパーがなくなったら、芯を捨てて、新しい物に取り換えてくれます。相手の身になり、次に使う人のことを考えられているのか、「芯だけになったら取り換える」というルーティンになっているのかは分かりませんが。他にも「新聞を取りに行く」「洗濯物を干す」「カーテンを閉める」「家の中のごみ箱のごみを集める」など、決められた家事は文句一つ言わずにやってくれます。

 つい、わが子と他人の子を比べてしまうのが、親という生き物なのかもしれません。いつまでも“比べる病”に侵されている私ですが、目の前の宝物である息子の「昔と今」を比べなくてはならないと反省しています。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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