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見た目そっくり! 「ブイヨン」と「コンソメ」は何が違うのか

洋風のスープといえば、「ブイヨン」と「コンソメ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。インスタントのものは用途も似ていることから、しばしば混同されますが、この両者の違いは一体何でしょうか。

よく似ているブイヨンとコンソメの違いとは…

 洋風料理のスープといえば「ブイヨン」と「コンソメ」。市販のものは湯で溶かすだけで手軽に使えて重宝しますが、しばしば混同されがちなこの両者は何が違うのでしょうか。オトナンサー編集部では、科学する料理研究家のさわけんさんに聞きました。

ブイヨンは「泡立ち」、コンソメは「完成」の意

 そもそも、フランス語でブイヨンは「泡立ち」「感情の湧き上がり」、コンソメは「熟達した」「完成された」という意味です。

 さわけんさんによると、フランス料理におけるブイヨンは本来、家庭料理であるポトフの液体のこと。現代では、ポタージュのベースを指すといいます。

 ブイヨンは、米国ではスープストックと呼ばれ、肉や骨、野菜を長時間煮込んで作る、日本でいえば「カツオだし」や「いりこだし」のような存在。このブイヨンに、さらに肉や野菜を加えて澄ませ、凝縮させた、文字通り「完成された」料理がコンソメです。

 つまり、ブイヨンはポタージュの土台となるだし汁であると同時に、コンソメの土台でもあるのです。ブイヨンは別名「コンソメ・サンプル」といい、いわゆる澄んだコンソメは「コンソメ・ドゥーブル」「コンソメ・リッシュ(リッチのこと)」と呼ばれます。

「ブイヨンは普通のだし汁、コンソメは追い鰹をして、しょう油で味付けしたお吸い物といったところでしょうか。なお、ブイヨンで牛肉を使ったものは『ブイヨン・ド・ブフ』、鶏肉は『ブイヨン・ド・ヴォライユ』、野菜は『ブイヨン・ド・レギューム』と呼ばれ、料理のメインの食材とスープの素材を合わせるのが基本です」(さわけんさん)

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さわけん

キッチンまわり評論家

1968年兵庫県生まれ。本名は澤田健児。辻調理師専門学校フランス校を卒業し辻調グループで11年間、西洋料理を教える。フランスの二つ星(当時)「ムーランドムージャン」などに勤務経験のある本格派。その後、イタリアンカフェのシェフを経て料理研究家に転身し世界の料理を研究。料理を科学的・理論的に分析し、難しいコツや切り方を簡単な方法に置き換え、なおかつ本物に迫る味になるレシピ「沢田けんじのリプレシピ」を展開中。2010年から「キッチンまわり評論家」として毎月30~50品の食品や調味料を実食検証し、キッチングッズなども頻繁に検証する。コストコ、カルディ、無印良品、成城石井などのPBに精通。関西弁でのぶっちゃけトークが各地の講習会で人気だ。http://www.sawakens.com/

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