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料理研究家がコンビニドーナツを一刀両断! 「温め直してもウマいものを」

「コンビニドーナツ」に否定的な意見を持つ人が増えていることが、とある民間の調査で判明しました。ドーナツ専業にはやはり勝てないのか――。今回はコンビニドーナツについて考えます。

いまや身近な存在になったコンビニドーナツ

 市場調査会社のマイボイスコム(東京都千代田区)が11月16日に発表した「コンビニドーナツ」に関するインターネット調査で、コンビニドーナツの購入に対して否定的な意見を持つ人が増加していることが分かりました。

 調査期間は10月1~5日で回答数は1万1148件。年代は10~20代が6%、30~40代が44%、50代以上が50%でした。コンビニドーナツを「あまり利用したくない」「利用したくない」と答えた人の割合は、第1回調査(2015年)の31.4%から39.2%に増加しました。

 オトナンサー編集部ではその理由について、毎月50品近くの食品を検証している、料理研究家でキッチンまわり評論家のさわけんさんに聞きました。

「ミスドの100円セールを狙うファン」をつかめ

 さわけんさんはアンケート結果について、「回答者の半数が50代であることが前提」と前置きしつつ、利用したくないと答えた層が増えた理由について「肝心の品質がイマイチでした」と話します。特に気になったのは、その味。2015年、セブンイレブンがコンビニドーナツを最初に発売した際、さわけんさんもすぐに買ったといいます。その時の印象は「ミスタードーナツが断然上」。後発となるローソンやファミリーマートも、食感作りに努力の跡が見られたものの、「専業には遠く及ばなかった」といいます。

 その原因について、さわけんさんは「作り置きがよくなかった」と指摘。専業のミスタードーナツはその場でドーナツを揚げることができ、商品の回転も早いことから「フレッシュ感と品質で太刀打ちできませんでした」。

コンビニドーナツの利用意向

 後発のローソンでは、店内調理でドーナツを提供していましたが、「仕上げが丁寧ではなかった」とさわけんさん。包装紙が味気なかったのもマイナスポイントだったといいます。また価格についても「『ミスタードーナツの100円セールを狙いに行くような』ドーナツ好きにはメリットが少なかった」と続けます。

 しかし現在では、各社商品リニューアルを経て、味とオリジナリティーは大幅に改善していることもあり、以前より良質のドーナツを食べられるとのこと。加えて、各社とも、商品を袋入りにしたことで「店員のオペレーションも短時間で済み、買いやすくなりました。品質の劣化防止という観点でも評価できます」。しかし懸念点も。「袋入りだと商品の姿が見えづらくなるためレジ横で売る価値は薄くなります」。

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さわけん

キッチンまわり評論家

1968年兵庫県生まれ。本名は澤田健児。辻調理師専門学校フランス校を卒業し辻調グループで11年間、西洋料理を教える。フランスの二つ星(当時)「ムーランドムージャン」などに勤務経験のある本格派。その後、イタリアンカフェのシェフを経て料理研究家に転身し世界の料理を研究。料理を科学的・理論的に分析し、難しいコツや切り方を簡単な方法に置き換え、なおかつ本物に迫る味になるレシピ「沢田けんじのリプレシピ」を展開中。2010年から「キッチンまわり評論家」として毎月30~50品の食品や調味料を実食検証し、キッチングッズなども頻繁に検証する。コストコ、カルディ、無印良品、成城石井などのPBに精通。関西弁でのぶっちゃけトークが各地の講習会で人気だ。http://www.sawakens.com/

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