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パンケーキに“あるもの”を入れるとフワフワになると話題に、料理研究家「有効です」

ふわふわとした分厚いパンケーキの作り方がSNS上で話題に。その方法は、卵1個に炭酸水150ccとマヨネーズ大さじ2、さらにパンケーキミックス150グラムを混ぜ、小さい鍋で両面を5分程度焼くというもの。実際に有効なのでしょうか。

パンケーキをふわふわにするコツは?

「ふわふわの分厚いパンケーキ」を作る方法がSNS上で話題になっています。実際に作った投稿者によると、卵1個に炭酸水150ccとマヨネーズ大さじ2を加えて混ぜ、ふわふわに泡立ったらパンケーキミックス150グラムを入れて軽く混ぜ合わせ、小さい鍋でフタをして弱火で両面5分程度焼くというもの。しっとりと柔らかく、牛乳なしでもコクのある仕上がりになるらしく、「すごい」「おいしそう!」といった驚きの声や、「ヨーグルトやカルピスソーダでもできる」と類似の方法を紹介するものなど、さまざまな反応が見られました。

 オトナンサー編集部が、科学する料理研究家のさわけんさんに聞くとこの方法は実際に「有効」だといいます。その仕組みとは一体どのようなものでしょうか。

ポイントはマヨネーズの「油」

Q.一見、パンケーキとは縁遠そうなマヨネーズと炭酸水がポイントでしょうか。

さわけんさん「このレシピの肝は、マヨネーズの主成分である油です。油をホットケーキの生地に加えると、小麦粉のグルテンの伸びが良くなります。すると、細かい気泡を小麦粉の薄い生地でたくさん包み込めるようになるため、ホットケーキのキメが細かくなり、ふんわりと仕上げることができるのです。これはシフォンケーキでも使われる方法です。一方、炭酸水は発泡しているため、生地がふんわりしそうですが、ホットケーキミックスにはすでにベーキングパウダーが配合されています。ベーキングパウダーはグルテンに包まれてから発泡するので、生地中に効率良く泡を発生させて抱き込ませ、ふんわりさせる効果があります。それに比べると、小麦生地で包む前から泡が出てしまっている炭酸水は効果が薄く、ほんの気持ち程度だと思われます」

Q.マヨネーズの臭いや味は気になりませんか。

さわけんさん「大さじ2は結構な量なので心配になりますが、それほど気になりません。また、ホットケーキは基本的にバターやメープルシロップをかけて食べるため、マヨネーズの風味を感じることはないでしょう」

Q.マヨネーズと炭酸水は、ほかの何かで代用可能なのでしょうか。

さわけんさん「炭酸水は効果が薄いため、普通の水でオーケーです。牛乳には乳脂肪分が含まれているので、水の代わりに加えると風味がアップし、ソフトに仕上がります。前述の通り、ベーキングパウダーはホットケーキミックスに配合されていますが、さらに膨らみが欲しい場合は追加してもよいでしょう。マヨネーズはサラダ油で代用可能です」

Q.その他、厚みのあるふわふわのパンケーキに仕上げるコツはありますか。

さわけんさん「厚みは、焼く鍋の大きさとホットケーキの生地量の対比によるため、焼く際のサイズを小さくすれば分厚くなります。ふわふわの食感に関係するのは、粉と水分の割合です。固く溶き混ぜると、食感も固めの仕上がりになります。また、泡立てた卵白に砂糖を加えてメレンゲにし、ホットケーキ生地に混ぜるとさらにふんわりします。まあ、ここまでやったら『お店の味』ですね」

(オトナンサー編集部)

さわけん

キッチンまわり評論家

1968年兵庫県生まれ。本名は澤田健児。辻調理師専門学校フランス校を卒業し辻調グループで11年間、西洋料理を教える。フランスの二つ星(当時)「ムーランドムージャン」などに勤務経験のある本格派。その後、イタリアンカフェのシェフを経て料理研究家に転身し世界の料理を研究。料理を科学的・理論的に分析し、難しいコツや切り方を簡単な方法に置き換え、なおかつ本物に迫る味になるレシピ「沢田けんじのリプレシピ」を展開中。2010年から「キッチンまわり評論家」として毎月30~50品の食品や調味料を実食検証し、キッチングッズなども頻繁に検証する。コストコ、カルディ、無印良品、成城石井などのPBに精通。関西弁でのぶっちゃけトークが各地の講習会で人気だ。http://www.sawakens.com/

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