「1週間の献立」を手軽に無理なく、おいしく作るコツ
「1週間の献立」を考えるのは、簡単なようでとても難しいもの。しかし、ちょっとしたコツさえつかむことができれば、簡単かつスピーディーに1週間の献立を作れるようになります。
「1週間の献立」の骨組み
主婦にとって「1週間の献立」を考えるのは頭の痛いこと。ましてや、仕事が忙しい人や子育て中のママにとっては苦痛に感じることさえあります。しかし、毎日大変な献立作りも、ちょっとしたコツをマスターすれば、楽にプランニングできるのです。ここでは、簡単・スピーディー・リーズナブルでおいしい1週間の献立の作り方とその例を、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きます。
まず、献立の骨組みを作るためのポイントです。同じようなメニューが続くと飽きてしまうだけでなく、栄養面にも問題が生じます。さまざまな食品から栄養を取ることを念頭に置きましょう。
【和洋中を配分して決める】
好きなバランスで和食・洋食・中華を配分します。たとえば、和洋中がそれぞれ連続しないようにローテーションしたり、和食をメインにして合間に洋食や中華を入れたりすると、バラエティー豊かな献立になります。
【使う食材を配分して決める】
献立に使用するメイン食材が重ならないように配分するのも、骨組みを作るコツ。たとえば「魚貝→鶏→豚→豆腐→魚貝→牛→鶏」をベースに、「週末は豪華に焼き肉にする」「魚料理は生ゴミ回収日の前日にする」など、家庭のライフスタイルに合わせて献立の骨組みを考えるのも良策です。さまざまな食材から栄養を偏りなく摂取でき、パズル感覚で献立作りができるため、無理のないプランニングになります。
毎日の献立を決める
1週間の骨組みがざっくりと決まったら、次は毎日の献立を決めていきます。
【主菜メニュー7つを決める】
骨組みに主菜メニューを7つ当てはめていきます。この時に気をつけたいのは、焼く・煮る・揚げるなどの調理法が重ならないようにすること。揚げ物が何日も続くのは健康のためにも避けたいものです。また、育ち盛りの子どもがいる家庭では、煮物ばかりが続くと寂しいかもしれません。
【一汁三菜に縛られない】
昔から理想的な献立とされている「一汁三菜」。栄養面からも配膳面からも、よく考えられた言葉と言えますが、一汁三菜を守ろうとして献立作りに行き詰まってしまうこともあります。献立作りの負担を少なくするコツは「栄養バランスが取れていれば、一汁三菜を満たさない日があってもよい」と考えること。普段よりも具だくさんのみそ汁にしたり、野菜をたっぷり使った丼にしたりするなど、少しの工夫で一汁三菜と同じ栄養をしっかり摂取でき、献立作りのストレス軽減にもつながります。
【副菜は常備菜を活用】
次に副菜を決めます。週後半は、時間のある時に作り置きした常備菜を使ったり、余り物を使ったりするなど、フレキシブルに決めていくのがコツ。また、副菜を決める際も、1食の中で調理法が重ならないようにしたり、主菜と異なる味付けにしたりするなどの工夫が必要です。
【手間をかけるメニューを絞る】
一日の献立の中では多くの場合、主菜を作るのに時間がかかるもの。そこで、副菜を短時間でできるものにすると負担を減らせます。または、手間のかからない刺身などを主菜に選んだ時は副菜に時間をかけるなど、手間をかけるものを一つに絞るのも良い方法。
献立作りを楽に! 【食材別】アレンジ方法
週初めに使った食材をアレンジして翌日に使ったり、冷凍して週後半に使ったりすると、毎日の献立作りがとても楽に。メニューに飽きることなくスピーディーに1品が完成します。ここでは、食材別のアレンジ方法をご紹介します。
【ハンバーグのたね】
・肉団子の甘酢あん
ショウガ汁を絞って一口大に丸め、油で揚げてから甘酢あんを絡めます
・レンコンの肉詰め
カレー粉で味付けした肉をレンコン上部に乗せて焼きます
・ロールキャベツ
ゆでたキャベツで巻き、コンソメスープで煮込みます。スープをトマト味やクリーム味にするとアレンジに幅が。肉の中にチーズを入れたり、白菜やピーマンの中に詰めたりするのもオススメです
【蒸した鶏胸肉】
・チキンサラダ
鶏胸肉を粗く裂いてグリーンサラダにトッピングすると、ボリュームたっぷりのチキンサラダになります
・インゲンのゴマ和え
鶏胸肉を一口大に切り、インゲンやオクラなどと一緒にゴマ和えにすれば、和食の副菜になります
・中華粥
ネギやショウガと一緒にトッピングします
【カレー】
・定番カレーうどん
白だしや麺つゆでのばして使います。白ネギや油揚げを加え、水溶き片栗粉でとろみをつけましょう
・焼きカレードリア
カレーと白飯を混ぜて耐熱容器へ。卵を割り入れ、ピザ用チーズをトッピングして焼きます
・サモサ
半分に切って長方形にした春巻の皮にカレーを乗せ、三角形に巻いて閉じ、油できつね色に揚げるとインド風カレーサモサになります
【残った野菜】
・定番野菜炒め
塩だれや焼き肉ソース、ポン酢など、味付けは好みでアレンジできます。魚介類や細切れ肉などの具材と合わせるのもオススメ
・ラタトゥイユ
ニンニク、酒、塩、コショウ、レモン汁を加え、野菜から出る水分で蒸し煮に。パスタにもよく合います
・チヂミ
千切りにしてチヂミ粉に混ぜて焼けば、韓国料理のチヂミを手早く作れます。市販のチヂミのタレはもちろん、酢醤油や辛子醤油もオススメです
・かき揚げ
細切りにした野菜を組み合わせ、天ぷら粉をつけてかき揚げにします
・豚汁
根菜が残った時にオススメです
「1週間の献立」の例【和洋中で配分】
ここでは、手軽にできておいしい1週間の献立の例を骨組み別にご紹介します。
【和洋中で配分した献立例】
・月曜日(和)
主菜:肉じゃが
副菜:タコとキュウリの酢の物、だし巻き卵
汁物:豆腐のみそ汁
・火曜日(洋)
主菜:鮭のムニエル
副菜:キノコのソテー、ポテトサラダ
汁物:ポタージュスープ
・水曜日(中)
主菜:鶏胸肉の酒蒸し
副菜:キュウリとクラゲの酢の物
汁物:春雨入り中華スープ
・木曜日(和)
主菜:揚げ出し豆腐
副菜:エノキとベーコンの炒め物、鶏胸肉とインゲンのゴマ和え
・金曜日(洋)
主菜:鶏肉のトマトソース煮込み
副菜:グリーンサラダ
・土曜日(中)
主菜:酢豚
副菜:チンゲン菜のクリーム煮、トマトのマリネ
・日曜日(和)
主菜:カツオのたたき
副菜:野菜のかき揚げ
汁物:豚汁
「1週間の献立」の例【主菜の食材で配分】
【主菜の食材で配分した献立例】
・月曜日(魚介類)
主菜:エビのチリソース炒め
副菜:ブロッコリーの卵とじ、水菜の中華サラダ
汁物:中華スープ
・火曜日(鶏)
主菜:鶏肉と野菜の煮物
副菜:イカとアスパラの炒め物、キュウリとミョウガの酢の物
・水曜日(豚)
主菜:ポークソテー
副菜:カボチャのそぼろ煮、タマネギサラダ
汁物:コーンスープ
・木曜日(豆腐)
主菜:麻婆豆腐
副菜:白菜とホタテのクリーム煮、揚げナスの中華ドレッシング
・金曜日(鶏)
主菜:親子丼
副菜:ひじきの煮物
汁物:ワカメと青菜のお吸い物
・土曜日(魚介類)
主菜:白身魚の揚げマリネ
副菜:切り干し大根の煮物、キノコとベーコンの炒め物
・日曜日(牛)
主菜:ハンバーグ
副菜:ジャーマンポテト
汁物:ミネストローネ
「1週間の献立」の例【節約&時短】
【上記2例をベースにした節約&時短例】
・月曜日(和)
主菜:豚バラのみそじゃが
副菜:キュウリとワカメの酢の物、冷奴
汁物:根菜のみそ汁
・火曜日(洋)
主菜:キーマカレー
副菜:ラディッシュサラダ
・水曜日(洋)
主菜:ラタトゥイユ(パスタ添え)
副菜:カレーサモサ
・木曜日(和)
主菜:厚揚げステーキ
副菜:鶏レバーの当座煮、にんじんサラダ
汁物:にゅうめん
・金曜日(和)
主菜:鶏の照り焼き
副菜:キャベツとツナの和え物、卵豆腐
汁物:アサリのお吸い物
・土曜日(中)
主菜:白身魚のチリソース
副菜:小松菜と油揚げの煮物、ハムとモヤシのナムル
・日曜日(和)
主菜:鶏ミンチとレンコンのハンバーグ
副菜:長芋のグラタン、紅白なます
汁物:豆腐のみそ汁
アレンジや余り物の活用を
「1週間の献立を無理なく作るには、ざっくりと主菜の骨組みを作り、簡単に作れる副菜や常備菜で埋めていくのがポイント。栄養のバランスも大切ですが、和洋中や食材、調理法、味付けのバリエーションから考えれば、無理なく献立を組み立てることができます。アレンジや余り物の活用で乗り切りましょう」(関口さん)
(オトナンサー編集部)
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